2013年10月19日土曜日

Ajax 2013-14 -苦難のシーズンの予感-

エールディビジはすでに2013-14シーズンの1/4を終え、9節終わってトゥエンテとPSVが勝ち点18で首位、1ポイント差でアヤックスが追う展開。しかしフェイエノールトや快進撃を見せたズウォレ、同じく好調フィテッセも僅差で後につけており、相変わらずの混戦模様となっています。


アヤックスは順位上では3位ですが、苦しい戦いを強いられています。


アヤックスとPSVに生まれた差

攻撃の中心だった天才MFクリスチャン・エリクセンがトッテナムに移籍、守備の大黒柱トビー・アルデルヴァイレルトはアトレティコ・マドリーに移籍。バルセロナからボージャンをレンタルで獲得し、テクニックのあるMFレリン・デュアルテ、昨シーズンユトレヒトでブレイクしたDFマイク・ファン・デル・ホールンという若手を獲得はしたものの、攻守の要を失ったアヤックスは、客観的に見れば間違いなく戦力ダウンしています。獲得が噂されていたフィテッセのファン・ヒンケルはチェルシーへ、AZのマヘルはPSVへそれぞれ移籍先を選び、ファンからしてみれば期待はずれの移籍期間になってしまいました。

対してPSVはマンチェスター・ユナイテッドから朴智星が復帰し、代表経験のあるスタイン・スハールスをスポルティング・リスボンから獲得。加えてジェフリー・ブルマ、カリム・レキク、アダム・マヘルといった有力若手タレントを次々と獲得し、経験ある選手と可能性を感じさせる若手が混ざり合った魅力的なチームに仕上がっています。

アヤックスは第7節でPSVにいいところなく4-0で大敗。実力差を見せつけられてしまいました。



苦難のシーズン

また、チャンピオンズリーグではバルセロナ、ACミラン、セルティックと同組という厳しい抽選結果。バルセロナには4-0で敗戦、ACミランには後半終了間際にデンスヴィルのヘディングで先制したものの、ファン・デル・ホールンがマークについていたバロテッリがペナルティーエリア内でダイブ、PKを沈められ引き分けに終わります。セルティックとの試合は来週に控えていますが、3位でヨーロッパリーグ出場が現実的な目標でしょうか。

余談ですが、グループの組み合わせも、判定も、毎年アヤックスに厳しすぎやしませんかね…2年前はレアル戦でゴール2つが判定により覆され、八百長疑惑のリヨンがディナモ・ザグレブにまさかの大勝を収めるという悪夢のような展開がありましたし、昨年はレアル、ドルトムント、シティーと同組という無茶苦茶な組み合わせ…そして今年もこの組み合わせに、この判定。やるせないですね。


そんな中、今年は昨年加入したルーカス・アンデルセンや、負傷から復帰したダフィー・クラーセンが出場機会を増やし結果を残しています。また、負傷したボージャンの代役としてアカデミー出身のレスリー・デ・サが期待以上の活躍を見せるなど、明るいニュースもあります。近年なかなか勝てなかったユトレヒトにもホームで勝ちましたし。


しかし、古豪復活への道のりは遠いと感じざるをえません。リーグ三連覇を成し遂げながら選手の流出は止まらない。キャプテンのシーム・デ・ヨングは残留しましたがメンバーが小粒な感じは否めず、国内で勝てたとしても、エールディヴィジ自体が弱体化した中、なかなかそれが欧州での成果にはつながりません。加えて、CLでグループステージを突破する千載一遇のチャンスは2年前にあったにも関わらず、疑惑の判定で涙を飲むことになってしまったわけです。欧州で結果を残し続けるチームにならなければ、選手の流出も止まらないでしょう。


若手への期待

古豪復活への鍵を握るのはユースアカデミーの再編ですが、もちろんこれは一朝一夕で成し遂げられるものではなく、今のA1はバルセロナやミランのユースにも力負けしてしまうのが現状です(トップチームがCLを戦っている裏でUEFA Youth Leagueというものが行われており、両チームと対戦しましたが、両方に敗戦しました。)


そんな中ですが、まったく注目する価値がないというわけではありません。注目すべき選手も何人かいるようです。

ユースの注目の選手としては、プレミアへの移籍が噂されていながらPSVから獲得したリシェドリー・バズールでしょうか。若干17歳ですが戦術眼とテクニックを兼ね備えており、Jongの試合でもアンカーのポジションで活躍しているので、今後期待できるかもしれません。PSVからの移籍というのが少し悲しいところではありますが…。デ・サの活躍とかもあるので、今年も昨年のフィッシャーみたいに大ブレイクする選手が出てきてほしいと思います。



こちらがバズールのプレー。視野が広く、パスがうまい選手ですね。


また、FWのシェラルド・ベッカーも19歳以下のオランイェに選ばれている期待の若手。インターナショナルウィーク中はトップチームの練習に参加したりもしたようなので、今後A1、Jong、トップチームと活躍の場を広げていってほしいと思います。

昨年大活躍のフィッシャーはスランプに陥っているようで、強引な突破でボールロストする場面や、力み過ぎた無茶なシュートでチャンスを不意にしてしまう場面が多くなっている気もしますが、まだ19歳。ゆっくり自分のスタイルを作り上げていけばいいと思います。



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いずれにせよ、今年は若手のブレイクを待ちながらの厳しい戦いが続くことと思いますが、最低でもCL出場権獲得、そしてCLではミランになんとか競り勝ってグループステージ突破(まぁ無理ならELでよしとしましょう…)を成し遂げてほしいものです。

Sheraldo Becker en Nick de Bondt

エールディヴィジは今夜再開。アヤックスはトゥエンテとの重要な試合を迎え、火曜日にはCLグループステージ第3節、セルティックとの負けられない戦いが待っています。