2013年11月29日金曜日

希望の兆し

アヤックスはチャンピンズリーグでセルティックとバルセロナに2連勝、最終節のアウェーでのミラン戦に勝利すればグループステージ突破の希望が残された状態です。


国内でもチャンピンズリーグでもなかなか調子が上がらず、苦しい時間を過ごしていたアヤックスですが、最近になってようやく希望が見えてきました。


復調の要因は選手の成長。


まず言及すべきはダレイ・ブリント。アヤックスのレジェンドの息子は左サイドバックのポジションで昨シーズンのチームMVPを獲得しましたが、今年はさらにアンカーのポジションで才能を開花しました。スピードこそないものの、決してボールを失わない確かなテクニックと、正確なキックを活かした展開力を併せ持ち、エレガントなプレーを見せています。日本戦でのプレーはいまいちでしたが、代表でもこのポジションで使われ始めており、これからさらに伸びる予感を醸し出しています。


次に、まさかの代表選出も経験した若きCB、ヨエル・フェルトマン。バルセロナ戦では不運にもレッドカードをもらってしまいましたが、ここ数試合の彼のパフォーマンスは圧巻の一言。足元の技術の高さは折り紙つきで、正確なパスだけでなくフェルトンゲンを彷彿とさせるようなダイナミックなドリブルもできる。もちろん一対一にも強く、まさにオランダらしいマルチな才能をもったCB。一時期はファン・デル・ホールンの加入によりチーム内での地位が危ぶまれましたが、モイサンデルの怪我などで掴んだチャンスを見事にものにしました。


そして、魔法のようなテクニックと豊富な運動量でピッチを駆けまわる、小柄なMFトゥラニ・セレロ。ゴール前での怖さはまだまだ足りていませんが、トリッキーなプレーで好機を演出するだけでなく、バルセロナ戦では右からのクロスにうまく飛び込み貴重な先制ゴールをあげています。


最後に、将来の10番として期待されるダフィー・クラーセン。若干20歳ながら、プレースタイルは「インテリジェント」という形容がぴったりな、フットボールIQの高い選手。オランダ国内では以前より久しぶりにアヤックスユースが生み出したオランダ人「10番」として注目されており、日本でもWSDなどでよく話題になっていた選手ですが、ここ数試合はスタメン出場が続いており、いよいよブレークの兆しを見せています。柔らかなテクニックを持ちながらシンプルにボールを捌いてリズムを作り、時にゴール前に現れて決定的な仕事ができる。非常に可能性を感じさせるタレントです。
(余談ですが、オランダ語だと名前の発音は「デイフィー」が近いですかね)



世界最高レベルとは言えなくても、そして常にベストなメンバーが揃うとは限らなくても、彼らのような若き才能が常に台頭し続ける。経験不足によって時として大きな代償を払わされることもあるけれど、彼らの活躍はまさにクラブが正しい方向に向かっていることの証明なのだと思います。


毎年厳しい組み合わせが続いているけれど、今年こそはグループステージ突破を決めて欲しいですね。