2014年11月2日日曜日

14-15シーズン序盤 ~ブリントのいないアヤックス

(ajax.nl)


なかなかブログを更新する機会がなく、約半年ぶりの更新となってしまいましたが、今シーズンのアヤックスについて。


シーム・デ・ヨングとブリントという、これまでのリーグ4連覇を支えたスター選手の離脱があり、戦力的には大幅ダウンと言わざるを得ない顔ぶれ。シームは昨シーズン怪我もありましたが、これまでの活躍を考えると次のステップに進むことは当然と思えましたが、ブリントの移籍はトランスファー・ウインドウの閉まる直前に突然決まり、彼自身「一生アヤックスでプレーしてもいい」と言っていただけに、ファンにとってはショックの大きいものでした。



シーズン序盤はPSVにホームで敗戦、続くフローニンヘン戦にも敗れ連敗と、なかなか調子が上がらず苦しみました。苦手の10月もズウォレ、トゥウェンテに勝ちきれませんでしたが、GAE戦は3-1、ドルトレヒト戦は4-1と連勝し、得点力も戻ってきている感があります。



戦力的には、ブリントの抜けた穴をどうするか、未だに定まりきっていない部分があります。序盤戦ではフィールヘフェルをアンカー起用し、それなりにハマっていた感もありましたが、気の利く選手ではあるもののこれではビルドアップができない。ローン加入のジムリングも低調なパフォーマンス。さてどうするか、というところでセレロのアンカー起用という奇策も用いていますが、そうすると守備に問題が出てくる。ブリントだったら守備もできるし長短両方のパスが正確で、組み立ての起点になる。移籍先のマンチェスター・ユナイテッドでも活躍していることからわかるように、やはり欧州トップレベルの「6番」だったんだと痛感します。


セレロは体系的にも似ているアニタのような「フォアリベロ」的な役割ができればいいのでしょうが、なかなかうまくいかず、アニタのポジショニングも天才的だったんだなと感じます。当時はアニタが最後尾まで下がりパスの起点になることで、センターバックとサイドバックを押し出すという、厚みのあるビルドアップができていましたが、まぁそれもフェルトンゲンとアルデルヴァイレルトという稀有な攻撃センスを持ったセンターバックの存在あってこその話なので、なかなか今のチーム状況にすんなり当てはめることもできません。


フランク・デ・ブールがひとつの答えとして導き出しているのが、昨シーズンに17歳でデビューを飾ったジャイロ・リーデヴァルトのアンカー起用。守備力もあり、左足で組み立てもできる彼は、確かにタイプとしてはアンカーにふさわしい選手かもしれません。当然、ブリントのような圧倒的な存在感を出すには至っていませんが、デ・ブールも「フランク・ライカールトのよう」と称賛するタレント。彼自身、インタビューで以下のように語っています。
(http://www.goal.com/en-gh/news/4375/editorials/2014/10/28/5553441/meet-jairo-riedewald-the-ajax-starlet-compared-to-frank)


「僕自身はいつも自分のことをむしろセンターバックだと思ってきたけど、バルセロナ戦とGAE戦では中盤でのプレーがとてもうまくいったんだ。6番として自分がどうなるかはわからないけれど、僕はボールを持つのを楽しく感じるタイプの選手だから、中盤でたくさんのボールを見ることができると思うよ。僕は少しダレイ・ブリントに似ていると思うから、このポジションで活躍できると思う。」



打って変わって前線は才能ある選手がひしめき合っています。今のところ、完全にポジションを約束されていると言えるのは、シェーネとクラーセンの二人だけでしょう。


攻撃的な中盤は、昨シーズンと変わらずセレロとクラーセンの組み合わせが多かったのですが、ここに来てアンデルセンがセレロに変わって定位置を掴みつつあります。アンデルセンはセレロのようなハードワークはできないし、身体能力も高くないものの、ドリブルよし、パスよし、トリッキーなプレーでチャンスが作れて得点力もあるという魅力的な選手。スピードのなさを考えると、やはり彼が活きるのはウイングではなく中盤だと感じます。

そして今やチームの中心、新たに10番を背負うクラーセン。11節終了時点でゴールは1と少ないものの、エールディヴィジトップの7アシスト。マジカルなスルーパスで攻撃の起点となるだけでなく、守備への切り替えの際には鋭いタックルでボールを奪い返します。特にPSV戦でのエル・ガジへのスルーパスは見事。昨シーズンまでは、ゴール前での繊細なタッチが特徴的であるものの、中盤では無骨なハードワーカーという印象が強かったので、こんなプレーができるのかと驚いたものでした。コンスタントにゴールを奪えるようになれば、間違いなくオランダ代表でも活躍できるでしょう。






ウイングとスピッツは豪華絢爛とまではいかないものの、タレントがひしめきあっています。シェーネは相変わらず素晴らしい活躍で不動のレギュラー。チャンスメークもできるし、攻撃では信じられないようなミドルシュートやフリーキックを叩き込む。現時点でエールデヴィジ最高の選手。もう一方のウイングはエル・ガジとキシュナの若手がポジションを奪い合う。特にエル・ガジは得点力が高く、敗れたもののチャンピオンズリーグのバルセロナ戦でも得点しています。

スピッツのレギュラーは、今のところシグトルソン。NAC戦ではハットトリックを記録したものの、今のところそれ以外には1ゴールとパッとしていません。レバークーゼンからローンで加入したミリクは、出場した5試合で3ゴール。シュートセンスは抜群で、テクニックがあり周りを活かすこともできる。シグトルソンは9試合4ゴール(しかし得点したのはそのうち2試合のみ)なので、ミリクを使わない手はないと思うのですが…。






また、シグトルソンとミリクのほかにも、まずはヨング・アヤックスでシステムへの順応を測っているものの、すでにゴール量産の気配を出しているジヴコヴィッチも控えています。その他、メニグ、バズール、ヌリ、ファン・デ・ベーク、チェルニー等、ヨングやA1で躍動するタレントのトップチームでの活躍も待ち遠しいところです。


チャンピオンズリーグでは3節を終えて未だ未勝利。アポエルにも勝ちきれず、厳しい状況が続いています。しかし、全体的に徐々に調子を上げてきてはいるので、頑張ってほしいと思います。

2014年5月6日火曜日

4 op een rij - アヤックスがエールディヴィジ2013/14シーズンを制覇

エールディヴィジは全日程を終了し、アヤックスはクラブ史上初のリーグ4連覇の快挙を成し遂げました。





正直に言って、今シーズンの内容は決して魅力的なものではありませんでした。DFの要だったアルデルヴァイレルト、そしてヨーロッパ最高レベルの若手プレーメーカーまで成長したエリクセンが去り、ハードワークが特徴的な選手が揃ったことにより、ボールを保持する攻撃的なスタイルは崩さないまでも、エンターテイメント的な面白みは少なくなった印象です。


しかし、「地味だけど強か」というのが今年のアヤックスだったのではないかと思います。。いくつかポイントがありました。


1.クリーンシートの多さ
アヤックスの得点数は69で、フェイエノールト(76)、トゥヴェンテ(72)、ヘーレンフェーン(72)に次いでリーグ4位とあまりパッとしませんでしたが、失点数28はダントツの1位。次に失点が少ないのはトゥヴェンテの37なので、結構な差が生まれていました。

また、アヤックスはホームゲームで10試合のクリーンシートを達成。もちろんこれもリーグトップの成績です。また、シーズン途中から正GKの座を掴んだシレセンも高いセーブ率を誇り、オランイェの正GKに近い位置まで来ました。


2.フェルトマンの台頭



最も優秀な若手プレーヤーに送られるTalent van het Jaarはクラーセンになりましたが、同様に成長著しかったのはモイサンデルのペアとしてCBを務めたヨエル・フェルトマン。アーセナルやトッテナムも獲得を目指していると伝えられ、オランダ代表デビューも果たした22歳のDFは、184cm75kgとCBとしては決して恵まれた体型ではありませんが、パスとドリブル技術が高い、まさにアヤックス・スタイルのCB。パス成功率は89%と非常に高い数字を記録しています。

しかし、彼はただ単に「攻撃的なCB」というだけではなく、その痩せた身体からは想像もできないような強さを見せるDFでもあります。空中戦の勝率はシーズンを通して59%、出場した24試合の中で37のタックルを成功させました。データ上は主だった欠点のない選手。決定的な場面でミスをしてしまう癖はあるので、経験を積んでさらに成長してほしい選手です。


3.チームを引っ張った中堅選手



今シーズンのチームMVPはラッセ・シェーネ。また、ダレイ・ブリントはKNVBが選ぶリーグMVPに選ばれました。年齢的にも中堅の二人は、今シーズン、今までとは異なったポジションでの活躍が目立ちました。シェーネは本来のインサイドハーフの位置ではなく、右ウイングから多くのチャンスを生み、また重要なゴールを数多く決めました。リーグ戦9ゴール8アシストだけでなく、チャンピオンズリーグでも2ゴール1アシストを決め、チームに欠かせない存在になりました。セットプレーのキッカーとしても活躍し、エリクセンの抜けたアヤックスにクリエイティビティを与えてくれました。

ブリントは今シーズン途中から、ユース時代のポジションであるアンカーでプレーすることが多くなりました。オランダ代表監督のファン・ハールもブリントの適正はアンカーだと以前より語っており、日本代表との親善試合では代表でもアンカーの位置でプレーすることになりました(そのときのパフォーマンスはあまりよくなかったですが…)。短距離・中長距離両方の卓越したパス技術と視野の広さを持ち、アヤックスのポゼッションの中心となりました。昨シーズンで急速に成長した選手でしたが、今シーズンもさらにプレーの幅を広げ、成長しました。ぜひ、もう1,2年はアヤックスに留まってチームの中心であり続けてほしいです。


就任後見事なチームを作り4連覇を達成したフランク・デ・ブールがトッテナムの次期監督に、というのも噂されていますが、来シーズンこそはCLグループステージ突破を達成してもらいたいものです。



2014年4月13日日曜日

BBC:フランク・デ・ブールへのインタビュー

前節フィテッセと引き分けたアヤックスですが、2位のフェイエノールトとは3試合を残して勝ち点6差。今節ホームでのADO戦に勝利し、フェイエノールトが引き分け以下なら優勝が決まります。


今シーズンはいまいちぱっとしない内容が続きながらも4連覇が近づいています。しかし、結局チャンピオンズリーグではミランに勝ち切れず、ヨーロッパリーグでもザルツブルグのハイプレッシャーに叩きのめされ完敗。エールディヴィジの弱体化は深刻ですが、フランク・デ・ブールはこの状況をどう考えているのでしょうか。今年2月、彼がBBCのインタビューで英語で語った内容を抜粋してみます。


Interviewer:
When people mention Ajax, most people think of Cruijff, great young players or total football. So how much pressure is that to continue developing great players in the style of total football?

アヤックスのことを話すとき、多くの人々はクライフ、素晴らしい若いプレーヤー、トータルフットボールのことを思い浮かべます。トータルフットボールのスタイルで素晴らしい選手を育て続けることは、どれほどのプレッシャーなのでしょうか?


Frank de Boer:
I think it's a healthy pressure, because we are youthful... and it's our lifeline also, because we don't have the money that they have in England or in Germany or in Spain too. We have to be depending on our youth academy because we cannot buy players from 26 years old for 10 or 15 million euro. So we have to be creative and that's why we put all our money on the youth academy.

健全なプレッシャーだと思うよ。我々は若いし、それは我々の生命線でもあるんだ。イングランド、ドイツ、それにスペインのクラブのような金は持っていないからね。我々は26歳以上のプレーヤーを1000万ユーロ、1500万ユーロといった金額で買うことはできないから、ユース・アカデミーに頼らないといけない。だから我々はクリエイティブにならないといけないし、それこそ我々がユース・アカデミーにすべてのお金をつぎ込んでいる理由なんだ。


I left when I was 28, but now, players are already leaving when they are 23 (or) 24, so we have to get even quicker. Young players get ready to come in the first team.

僕は28の時にクラブを去った。でも今は選手たちは23,24になるともう出て行ってしまう。だから、若いプレーヤーがファーストチームに上がる準備をもっと早くできるようにしないといけないんだ。


A few years ago we lost that grip on it, but now we are more and more aggressive in Europe to get also the youngest talented players to come for Ajax because they know they have the chance to develop better and also we are playing in the Champions League and they get the chances to come in the first team.

数年前、我々はそういった力を失っていた。でも我々は今、ヨーロッパにおいてもより積極的になってきていて、より若くて才能のあるプレーヤーがアヤックスに来るようになってきている。なぜなら、ここでは成長する機会がより多くあって、チャンピオンズリーグでプレーしていて、ファーストチームに上る機会があると皆知っているからね。


Interviewer:
Do you want the European Champions League here with Ajax, with a very young team of course?

アヤックスでチャンピオンズリーグには勝ちたいと思っていますか?もちろん、若いチームで?

Frank de Boer:
Yes.

もちろん。

Interviewer:
But do you think in the current climate with the financial restrictions that you have, when you compare to big clubs like Manchester City who, even after spending all their money they have spent, have never got to the quarter final of the Champions League... So do you think it's now impossible for a club like Ajax to win the Champions League?

ただ、財政的な制約がある現状において、マンチェスター・シティのようなビッグクラブが大量の金を使った後にもチャンピオンズリーグの準決勝すらたどり着けないという状況を見て、アヤックスのようなクラブがチャンピオンズリーグで優勝することは不可能だと思っていませんか?


Frank de Boer:
I always have to dream... that's what we gotta do. If you have the great mixture... that's even also already difficult. You mention that our team was also quite young. I was 25, my brother was 25, van der Sar was 25, and that's just the nice age to be one or two steps further when you are 21 or 22 [...]

夢は見続けなければならない。それが我々がやるべきことなんだ。いい「ミクスチャー」があれば…ただ、それもすでに難しいことなんだ。君は僕がいたチームもとても若かったと言うけれど、僕は25だったし、弟(ロナルド)も25、ファン・デル・サールも25だった。21歳や22歳の時は、1ステップ、2ステップ先に進むのにいい年齢なんだ。

(このあとうまく聞き取れませんでした。ライカールトやダニー・ブリントのことを語っているので、経験あるプレーヤーが当時はいたという内容です。また、今30を超えた選手がポウルセンしかいないけれど、彼は全試合をプレーしているわけではない、ということにも言及しています)

If we still  have the chance to win the Champions League, everything has to be fit at the right time, like six unbelievable talented players and some mid-twenty players who just stay for one or two years more, then we have the chance to reach the semi final and to win the Champions League. It's quite hard, but I'm still dreaming of it.

もし我々にチャンピオンズリーグで優勝するチャンスがあるとすれば、すべてが正しい時に正しい状態である必要がある。例えば、6人の信じられないほどの才能を持った選手たちと、何人かの20代中盤の選手がもう1年、2年長く留まってくれたら、我々は準決勝に進むことができるし、優勝の可能性もある。とても難しいことだけど、僕は今でも夢見ているよ。


もちろん、チャンピオンズリーグの準決勝まで行くことは非常に難しいミッションではあります。しかし、例えば今年のAZは戦力的にまったく充実しているとは言えない中で見事にヨーロッパリーグベスト8に進出しましたし、エールディヴィジのクラブがまったくダメというわけでもない。自分たちのサッカーをいい状態でできれば、勝機ゼロではない。事実、アヤックスは個々数年、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、バルセロナという強豪から金星を上げたこともあります。

今年もクラーセンやフェルトマンがブレイクしたり、キシュナ、デ・サ、リーデヴァルトといったユース上がりの選手が活躍もしています。難しいのは、経験ある中堅~ベテランの確保。シェーネやモイサンデルはぜひ残って欲しいですし、ファン・デル・ファールトが復帰という噂も出ていますが、どうなるでしょうか。

ひとまずは優勝を早く決めてほしいですね。





2014年1月3日金曜日

Eredivisie team of the season so far

Gelukkig nieuwjaar!

2013年、アヤックスは3連覇達成はしたもののヨーロッパリーグではステアウア・ブカレストにまさかの敗戦。エリクセンとトビーを失った新シーズン、フェルトマンやクラーセンが台頭した結果リーグ前半首位で折り返すことに成功するなど明るい話題もある一方で、チャンピオンズリーグではあと一歩のところでまたしてもグループステージ敗退。ヨーロッパでなかなか結果を出せない状況が続き、少し歯がゆい一年になりました。

とはいえ2014年、今年も優勝すれば前人未踏のエールディヴィジ4連覇。1月の試合からはシームやドゥアルテも戻ってくるはずなので、ヨーロッパリーグでの活躍も期待したいところです。


本日は、英語でエールディヴィジの情報を発信する海外サイト"Football Oranje"から記事の紹介です。その名も"Eredivisie team of the season so far"ということで、今シーズンここまでのベストイレブンが紹介されているので、それぞれの選手をここに載せます。

オリジナルの記事はこちら。 
http://www.football-oranje.com/eredivisie-team-of-the-season-so-far/

※選手の国籍、年齢、チームと、Wikipediaのページ、そしてプレー動画を載せます。(日本語があるものは日本語ページ、なければ英語)

Goalkeeper
ロビン・ルイター(Robbin Ruiter) オランダ、26歳、ユトレヒト
http://en.wikipedia.org/wiki/Robbin_Ruiter




Right Back
ケルフィン・レールダム(Kelvin Leerdam) オランダ/スリナム、23歳、フィテッセ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%A0



Left Back
ダレイ・ブリント(Daley Blind) オランダ、23歳、アヤックス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88



Center Back
ヨエル・フェルトマン(Joel Veltman) オランダ、21歳、アヤックス
http://en.wikipedia.org/wiki/Jo%C3%ABl_Veltman



Center Back
エリック・ボテギン(Eric Botteghin) ブラジル/イタリア、26歳、フローニンヘン
http://en.wikipedia.org/wiki/Eric_Botteghin
(動画はNACブレダ時代のもの)



Midfielder
ハキム・ツィエク(Hakim Ziyech) オランダ、20歳、ヘーレンフェーン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%AD%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%84%E3%82%A3%E3%82%A8%E3%82%AF



Midfielder
メンフィス・デパイ(Menphis Depay) オランダ、19歳、PSV
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%91%E3%82%A4



Midfielder
クインシー・プロメス(Quincy Promes) オランダ、22歳、トゥヴェンテ
http://en.wikipedia.org/wiki/Quincy_Promes



Midfielder
ルーカス・ピアゾン(Lucas Piazon) ブラジル、19歳、フィテッセ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%A2%E3%82%BD%E3%83%B3



Forward
アルフレッド・フィンボガソン(Alfred Finnbogason) アイスランド、24歳、ヘーレンフェーン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%AC%E3%82%BD%E3%83%B3



Forward
グラッツィアーノ・ペッレ(Graziano Pelle) イタリア、28歳、フェイエノールト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%84%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%AC



Substitutes
ヤスパー・シレセン(Jasper Cillessen) オランダ、24歳、アヤックス
http://en.wikipedia.org/wiki/Cillessen



カリム・レキク(Karim Rekik) オランダ、19歳、PSV
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%AD%E3%82%AF



アロン・ヨハンソン(Aron Johannsson) アメリカ、23歳、AZ
http://en.wikipedia.org/wiki/Aron_J%c3%b3hannsson
(動画はAGF時代のもの)



ダフィー・クラーセン(Davy Klaassen) オランダ、20歳、アヤックス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%B3



イェンス・トールンストラ(Jens Toornstra) オランダ、24歳、ADOデン・ハーグ
http://en.wikipedia.org/wiki/Jens_Toornstra



フース・ハッパーツ(Guus Hupperts) オランダ、21歳、ローダJC 
http://en.wikipedia.org/wiki/Guus_Hupperts



ルク・カスタイノス(Luc Castaignos) オランダ、21歳、トゥヴェンテ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%B0%E3%83%8E%E3%82%B9




なお、Goal.comも前半戦のエールディヴィジ・ベストイレブンについて記事を書いています。
(http://www.goal.com/en-my/news/3958/europe/2013/12/28/4507155/eredivisie-team-of-the-season-so-far-van-aanholt-piazon-make-the-)

そちらのベストイレブンはこちら。上と被っていない選手には同じように説明と動画をつけます。

GK
ヤスパー・シレセン

Right Back
ケルフィン・レールダム

Center Back
ダリル・ラハマン(Darryl Lachman) オランダ、24歳、PECズウォレ
http://en.wikipedia.org/wiki/Darryl_Lachman
(あまりいい動画ありませんでした)


Center Back
ヨリス・マタイセン(Joris Mathjisen) オランダ、33歳、フェイエノールト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3


Left Back
パトリック・ファン・アーンホルト(Patrick van Aanholt) オランダ、23歳、フィテッセ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%88


Midfielder
ダレイ・ブリント

Midfielder
ダフィー・プロッペル(Davy Propper) オランダ、22歳、フィテッセ
http://en.wikipedia.org/wiki/Davy_Pr%C3%B6pper


Midfielder
ハキム・ツィエク

Right Wing
クインシー・プロメス

Left Wing
ルーカス・ピアゾン

Center Forward
アルフレッド・フィンボガソン


やっぱりディフェンダーはいい動画見つかりませんね。。ボテギンやラハマンは、恥ずかしながらちゃんと見たことがなかったので、アヤックスや上位チームの試合ばかり見て満足せず、今シーズン調子のいいフローニンヘンやズウォレも今後チェックしようと思います。

余談ですが、Football Oranjeのベストイレブン、4-4-2で中盤の守備だれがやるんでしょうか…これだったらエールディヴィジのほぼすべてのチームが採用する4-3-3で、中盤の底に守備もできるブリントを置くGoal.comのベストイレブンの方が強そうですね。

エールディヴィジは若い才能が多くいるリーグです。たくさん動画貼ったので、暇な人は見てみてください。


2013年12月23日月曜日

ヤイロ・リーデヴァルト~Droomdebuut

エールディヴィジは前半戦を終え、ウインターストップに入ります。

前半戦最後の試合、アヤックスはローダJCにアウェーで劇的な1-2の逆転勝利。ヒーローとなったのはこの日エールディヴィジデビューを飾った17歳のDF、ヤイロ・リーデヴァルトでした。


リーデヴァルトは1996年9月生まれの17歳。2007年からアヤックスユースでプレーしており、世代別のオランダ代表にも選ばれている選手です。


現在リーデヴァルトはA1に所属している選手。オランダ2部に参戦しているアヤックスのリザーブチームJong Ajaxにおいても、2013年10月にデビューを果たしており、12月9日のカップ戦でトップチームデビューを果たした選手です。


ボイレセンの負傷に伴い、現在アヤックスは左サイドバックが手薄な状態。フランク・デ・ブールはブリントをなるべく中盤の底のポジションで使いたい思惑があるようで、右利きのリヘオンを使ったり、あるいは本来プレーメーカーの位置に入るドゥアルテを使ったりと、試行錯誤していました。



ローダとの試合では、結局ブリントが左サイドバックに入っていましたが、後半35分にデ・ブールは守備的MFポウルセンを下げて、その位置にブリントを入れる選択をします。


交替で入り左サイドバックを務めたのが17歳のリーデヴァルト。ここで彼は決定的な仕事をしてみせます。


まずは後半43分、ペナルティーエリアでフーセンがボールキープ、反転して送ったグラウンダーのクロスに飛び込んだのはサイドバックのリーデヴァルトでした。これでアヤックスは同点に持ち込みます。

驚きはその数分後。後半ロスタイム、シェーネのコーナキックをフェルトマンがヘッドで前に送り、ここに詰めていたのがまたしてもリーデヴァルト。劇的な逆転劇を演出してみせました。


結局、丁重な試合を見せていたアヤックスですが、この17歳の新たな才能に助けられる形となり、見事Winterkampionenの座を射止めました。本当に強いチームは調子が悪くても勝つ。今のアヤックスには不思議な勝負強さが備わり始めています。


ちなみに、リーデヴァルトはフランク・デ・ブールの元でトップチームデビューを果たした15人目のプレーヤー。17歳と104日でのゴールはなんとエールディヴィジ最年少ゴール記録です。もちろん、まだまだトップチームで定位置を確保するには道のりは遠いかもしれませんが、MFもできる選手ということなので、これからじっくり成長していってほしいですね。





2013年12月8日日曜日

WSDの記事について。その他諸々


アヤックスはつい先程、NACブレダに4-0で勝利。2試合連続の4-0での勝利になります。

輝いたのはハットトリックを決めたクラーセン。前半の1点目はシェーネのパスを冷静にゴール右隅に流し込み、2点目はフィッシャーからの柔らかいクロスを見事なダイレクトボレー。後半、モイサンデルからのロングボールを受け、ワントラップでGKを抜き去りゴール。どの得点もシンプルながら確かなテクニックがなければ不可能な、まさに彼のプレースタイルをそのまま表したような素晴らしいものでした。(ゲームでいうとウイイレもFIFAも彼のこと過小評価しすぎですよね。パッとしない能力値でしかもあんまり成長しない。せめてもうちょっと将来的に成長する設定にしてほしい。)






ハイライトはこちら。




さて、今日はワールド・サッカー・ダイジェストの記事についてです。


この雑誌、アヤックスの若手のこともたまに取り上げてくれるのでそこには感謝なのですが、オランダの記事はユトレヒトファンのハンス・フォスさんという方が書いていて、どうもアヤックスに対して厳しいんですよね。



今月号の記事では、要約すると「若手を育てて結果を出すというアヤックスの理念は素晴らしい。しかし、それだけでは勝てない。もっと現実的になるべきなのではないか。このままだと連覇やCLグループステージ突破は厳しい」、というものでした。それ以上でもそれ以下でもない。セルティックやバルセロナへの勝利は華麗にスルー。


まぁ、たぶんこれが一般的な、特段アヤックスファンではないオランダ人の見方なのかもしれませんが、それにしても、「それができたら苦労しねえよ!」と叫びたくなるような意見ですよね。


ようするに、それが中堅選手であれ他チームの優秀な若手であれ、計算できる選手を買う金がないんです。オランダでは中位から下位のチームの若手が活躍すると、まずはオランダ国内のビッグクラブ、つまりアヤックス、PSV、フェイエノールト、トゥエンテあたりへの移籍が噂されますが、移籍金の折り合いがつかなかったり、給料の折り合いがつかなかったりで、最近はアヤックスに来てくれる若手の実力者が少ないのが現状です。ナルシンもマヘルもPSVを選び、海外リーグへの挑戦は時期尚早と思われるようなアサイディやファン・ヒンケルも結局プレミアリーグを選択。もちろん、オランダの他のチームに比べればアヤックスだって金満ですが、PSVには敵わないし、国外のビッククラブの予算とは大きな隔たりがあるわけです。


ボスマン判決以降、アヤックスはじめオランダのクラブが皆こういった状況に置かれていることは、オランダ人ならよくわかっているはず。それを「もっと現実的に」と言われても、「あなたがもっと現実的になったほうがいいんじゃ…」という感想です。



アヤックスにとっては、スレイマニが苦い思い出になっているのではないでしょうか。2007年にヘーレンフェーンで目覚ましい活躍を見せたスレイマニを翌年アヤックスはオランダ国内での移籍では最高額となる1625万ユーロ(当時のレートで約27億2500万円)で獲得、当然高額のサラリーが支払われることになりましたが、最終的にはレギュラー落ちしてしまい、いい結果を残すことができませんでした。


もちろんスレイマニはそれなりの活躍はしました。彼のスピードとテクニックは間違いなくアヤックスの武器でしたし、久しぶりのリーグ制覇の原動力にもなっていたと思います。しかし、それが投資した額に見合う活躍だったかというと首を傾げざるを得ない結果で、ファンからは批判の対象になってしまいました(彼自身にとっては少し酷ですけどね…)。



好むと好まざるとにかかわらず、限られた予算の中で若手を育ててやっていくしかない。その中で、時としてフリーで獲得できるポウルセンのような選手や、ボージャンのようなローンの選手を入れつつ、やりくりしていくしかないんですよね。


※ちなみに立ち読みでざーっと読んだ印象だけでこれ書いてますので、もしかしたらハンスさんの意見と照らしあわせて的はずれな文章になっているかもしれませんが、あしからず。


ミッドウィークにはいよいよ敵地でのCL最終節ACミラン戦。アウェーでの戦いですし、当然チーム力には差があります。また、キャプテンのシーム・デ・ヨングは欠場の見込みになっています。ただ、ブリント、セレロ、クラーセンの中盤もばっちり機能し始めて、現在チームの調子は完全に上向き。この勢いでサプライズを起こしてほしいものです。






2013年11月29日金曜日

希望の兆し

アヤックスはチャンピンズリーグでセルティックとバルセロナに2連勝、最終節のアウェーでのミラン戦に勝利すればグループステージ突破の希望が残された状態です。


国内でもチャンピンズリーグでもなかなか調子が上がらず、苦しい時間を過ごしていたアヤックスですが、最近になってようやく希望が見えてきました。


復調の要因は選手の成長。


まず言及すべきはダレイ・ブリント。アヤックスのレジェンドの息子は左サイドバックのポジションで昨シーズンのチームMVPを獲得しましたが、今年はさらにアンカーのポジションで才能を開花しました。スピードこそないものの、決してボールを失わない確かなテクニックと、正確なキックを活かした展開力を併せ持ち、エレガントなプレーを見せています。日本戦でのプレーはいまいちでしたが、代表でもこのポジションで使われ始めており、これからさらに伸びる予感を醸し出しています。


次に、まさかの代表選出も経験した若きCB、ヨエル・フェルトマン。バルセロナ戦では不運にもレッドカードをもらってしまいましたが、ここ数試合の彼のパフォーマンスは圧巻の一言。足元の技術の高さは折り紙つきで、正確なパスだけでなくフェルトンゲンを彷彿とさせるようなダイナミックなドリブルもできる。もちろん一対一にも強く、まさにオランダらしいマルチな才能をもったCB。一時期はファン・デル・ホールンの加入によりチーム内での地位が危ぶまれましたが、モイサンデルの怪我などで掴んだチャンスを見事にものにしました。


そして、魔法のようなテクニックと豊富な運動量でピッチを駆けまわる、小柄なMFトゥラニ・セレロ。ゴール前での怖さはまだまだ足りていませんが、トリッキーなプレーで好機を演出するだけでなく、バルセロナ戦では右からのクロスにうまく飛び込み貴重な先制ゴールをあげています。


最後に、将来の10番として期待されるダフィー・クラーセン。若干20歳ながら、プレースタイルは「インテリジェント」という形容がぴったりな、フットボールIQの高い選手。オランダ国内では以前より久しぶりにアヤックスユースが生み出したオランダ人「10番」として注目されており、日本でもWSDなどでよく話題になっていた選手ですが、ここ数試合はスタメン出場が続いており、いよいよブレークの兆しを見せています。柔らかなテクニックを持ちながらシンプルにボールを捌いてリズムを作り、時にゴール前に現れて決定的な仕事ができる。非常に可能性を感じさせるタレントです。
(余談ですが、オランダ語だと名前の発音は「デイフィー」が近いですかね)



世界最高レベルとは言えなくても、そして常にベストなメンバーが揃うとは限らなくても、彼らのような若き才能が常に台頭し続ける。経験不足によって時として大きな代償を払わされることもあるけれど、彼らの活躍はまさにクラブが正しい方向に向かっていることの証明なのだと思います。


毎年厳しい組み合わせが続いているけれど、今年こそはグループステージ突破を決めて欲しいですね。






2013年10月19日土曜日

Ajax 2013-14 -苦難のシーズンの予感-

エールディビジはすでに2013-14シーズンの1/4を終え、9節終わってトゥエンテとPSVが勝ち点18で首位、1ポイント差でアヤックスが追う展開。しかしフェイエノールトや快進撃を見せたズウォレ、同じく好調フィテッセも僅差で後につけており、相変わらずの混戦模様となっています。


アヤックスは順位上では3位ですが、苦しい戦いを強いられています。


アヤックスとPSVに生まれた差

攻撃の中心だった天才MFクリスチャン・エリクセンがトッテナムに移籍、守備の大黒柱トビー・アルデルヴァイレルトはアトレティコ・マドリーに移籍。バルセロナからボージャンをレンタルで獲得し、テクニックのあるMFレリン・デュアルテ、昨シーズンユトレヒトでブレイクしたDFマイク・ファン・デル・ホールンという若手を獲得はしたものの、攻守の要を失ったアヤックスは、客観的に見れば間違いなく戦力ダウンしています。獲得が噂されていたフィテッセのファン・ヒンケルはチェルシーへ、AZのマヘルはPSVへそれぞれ移籍先を選び、ファンからしてみれば期待はずれの移籍期間になってしまいました。

対してPSVはマンチェスター・ユナイテッドから朴智星が復帰し、代表経験のあるスタイン・スハールスをスポルティング・リスボンから獲得。加えてジェフリー・ブルマ、カリム・レキク、アダム・マヘルといった有力若手タレントを次々と獲得し、経験ある選手と可能性を感じさせる若手が混ざり合った魅力的なチームに仕上がっています。

アヤックスは第7節でPSVにいいところなく4-0で大敗。実力差を見せつけられてしまいました。



苦難のシーズン

また、チャンピオンズリーグではバルセロナ、ACミラン、セルティックと同組という厳しい抽選結果。バルセロナには4-0で敗戦、ACミランには後半終了間際にデンスヴィルのヘディングで先制したものの、ファン・デル・ホールンがマークについていたバロテッリがペナルティーエリア内でダイブ、PKを沈められ引き分けに終わります。セルティックとの試合は来週に控えていますが、3位でヨーロッパリーグ出場が現実的な目標でしょうか。

余談ですが、グループの組み合わせも、判定も、毎年アヤックスに厳しすぎやしませんかね…2年前はレアル戦でゴール2つが判定により覆され、八百長疑惑のリヨンがディナモ・ザグレブにまさかの大勝を収めるという悪夢のような展開がありましたし、昨年はレアル、ドルトムント、シティーと同組という無茶苦茶な組み合わせ…そして今年もこの組み合わせに、この判定。やるせないですね。


そんな中、今年は昨年加入したルーカス・アンデルセンや、負傷から復帰したダフィー・クラーセンが出場機会を増やし結果を残しています。また、負傷したボージャンの代役としてアカデミー出身のレスリー・デ・サが期待以上の活躍を見せるなど、明るいニュースもあります。近年なかなか勝てなかったユトレヒトにもホームで勝ちましたし。


しかし、古豪復活への道のりは遠いと感じざるをえません。リーグ三連覇を成し遂げながら選手の流出は止まらない。キャプテンのシーム・デ・ヨングは残留しましたがメンバーが小粒な感じは否めず、国内で勝てたとしても、エールディヴィジ自体が弱体化した中、なかなかそれが欧州での成果にはつながりません。加えて、CLでグループステージを突破する千載一遇のチャンスは2年前にあったにも関わらず、疑惑の判定で涙を飲むことになってしまったわけです。欧州で結果を残し続けるチームにならなければ、選手の流出も止まらないでしょう。


若手への期待

古豪復活への鍵を握るのはユースアカデミーの再編ですが、もちろんこれは一朝一夕で成し遂げられるものではなく、今のA1はバルセロナやミランのユースにも力負けしてしまうのが現状です(トップチームがCLを戦っている裏でUEFA Youth Leagueというものが行われており、両チームと対戦しましたが、両方に敗戦しました。)


そんな中ですが、まったく注目する価値がないというわけではありません。注目すべき選手も何人かいるようです。

ユースの注目の選手としては、プレミアへの移籍が噂されていながらPSVから獲得したリシェドリー・バズールでしょうか。若干17歳ですが戦術眼とテクニックを兼ね備えており、Jongの試合でもアンカーのポジションで活躍しているので、今後期待できるかもしれません。PSVからの移籍というのが少し悲しいところではありますが…。デ・サの活躍とかもあるので、今年も昨年のフィッシャーみたいに大ブレイクする選手が出てきてほしいと思います。



こちらがバズールのプレー。視野が広く、パスがうまい選手ですね。


また、FWのシェラルド・ベッカーも19歳以下のオランイェに選ばれている期待の若手。インターナショナルウィーク中はトップチームの練習に参加したりもしたようなので、今後A1、Jong、トップチームと活躍の場を広げていってほしいと思います。

昨年大活躍のフィッシャーはスランプに陥っているようで、強引な突破でボールロストする場面や、力み過ぎた無茶なシュートでチャンスを不意にしてしまう場面が多くなっている気もしますが、まだ19歳。ゆっくり自分のスタイルを作り上げていけばいいと思います。



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いずれにせよ、今年は若手のブレイクを待ちながらの厳しい戦いが続くことと思いますが、最低でもCL出場権獲得、そしてCLではミランになんとか競り勝ってグループステージ突破(まぁ無理ならELでよしとしましょう…)を成し遂げてほしいものです。

Sheraldo Becker en Nick de Bondt

エールディヴィジは今夜再開。アヤックスはトゥエンテとの重要な試合を迎え、火曜日にはCLグループステージ第3節、セルティックとの負けられない戦いが待っています。


2013年5月19日日曜日

Eredivisie Kampionen #32


2012-13シーズンのエールディヴィジはアヤックスの優勝で幕を閉じました。


アヤックスはこれで32回目のリーグ制覇。フランク・デ・ブール監督は就任後3連覇の偉業を成し遂げました。これまでにオランダリーグ3連覇を達成したアヤックス監督は、フランク・デ・ブール以前には2人のみ。これでデ・ブールはリヌス・ミケルスとルイス・ファン・ハールという偉大な監督と同じリストに名を連ねることになりました。

最終的には、盤石と言える戦い方でシーズンを締めくくったアヤックス。圧倒的な攻撃力を爆発させた一方で勝負弱さを露呈した2位のPSVと比べると、安定した守備できっちりと勝利を重ねてきたという印象です。


今シーズン文句なしにアヤックスのMVPとなったのはダレイ・ブリント。アヤックスの年間最優秀選手(Ajacied van het Jaar)に選ばれ、各紙が選ぶエールディヴィジのベストイレブンにも軒並み名を連ねる若き左サイドバックの急成長なくして、今年の優勝はありえなかったと思います。シーズン当初は契約延長せずフリーで出て行くのでは、と噂もされるような状態でしたが、シーズン途中にはオランダ代表にも選ばれ、怪我がちなボイレセンを差し置いて完全に左サイドバックのファーストチョイスになった印象です。







そして、今シーズンはポウルセン、シェーネ、アンデルセンと3人のデンマーク人を獲得。エリクセンとボイレセンと合わせて、デンマーク人が欠かせない存在となっていました。シェーネは個人的にはブリントと並ぶくらいのMVP級の活躍を見せた選手だと思います。重要な局面でのゴールだけでなく、細やかな技術で多くのチャンスを演出していました。そして新星フィッシャーの大活躍はご存知の通り。アヤックスの中では若手の最優秀選手(Talent van het Jaar)に選ばれました。今後、間違いなく欧州トッププレーヤーの一人として成長していくことでしょう。


ポウルセン、フィッシャー、シェーネの3人が英語で今シーズンを振り返っている動画がこちら。







個人的には、ポウルセンの以下の言葉が印象的でした。


「僕は1対1に強いフィジカルなプレーヤーではなくて、コンビネーションを創り出すのがうまい選手でもある。ほとんどの試合でボールポゼッションが60%を超えるようなチームでプレーできるのは本当に楽しいよ。去年はフランスの小さなクラブで、状況が違ったからね。」


当初はテクニックに欠けた荒々しい選手なのかと思っていましたが、蓋を上げてみればカードを一枚も貰わないでシーズンを終えたポウルセン。後半につれて徐々にチームにフィットして、冷静なディフェンスで相手の攻撃の芽を摘んだだけでなく、チームのボールポゼッションに大きく貢献することとなりました。来シーズンもアヤックスでチームを引っ張って欲しいです。



さて、今シーズンでエリクセンとシーム・デ・ヨングは移籍が濃厚。他にもアルデルヴァイレルトも移籍が噂される選手のひとりとなっています。

エリクセンはドルトムントやリバプールへの移籍が噂され、特に司令塔ゲッツェがバイエルン・ミュンヘンに移籍となるドルトムントについてはエリクセン自身「プレーしたいチーム」と発言もしており、またデ・ブールとクロップ監督も最近仲がいいようで、移籍の可能性が高まっているところです。

シームは以前からニューカッスルへの移籍が噂されていましたが、本人は弟のルーク・デ・ヨングがプレーするドイツでプレーしたい気持ちがある模様。最近ではシャルケのフンテラールがシームはシャルケに合っていると発言したという報道もあります。

トビーもニューカッスルやトッテナム、アーセナルなど様々なチームへの移籍がありますが、最近ではASローマがトビーへの問い合わせを行ったという報道もあります。



エリクセンとシームが抜けると、MFの選手層がどうしても薄くなってしまうため、AZからアダム・マヘル、フィテッセからファン・ヒンケルの獲得が噂されています。ただ、AZのフェルベーク監督は、「マヘルはヨーロッパのビッグクラブでプレーする用意ができている。国内に留まる必要はない」とも言っており、またAZが高額な移籍金をマヘルに設定することが考えられるので、彼がアヤックスに来るかどうかは微妙なところです。間違いなくオランダでNo.1の若手タレントなので、彼が来たらアヤックスのサッカーがさらにおもしろくなることは間違いないのですが…。



ただ、最近では若手のタレントを相次いで獲得しており、ナイジェリアの17歳Moses Daddy-Ajala Simon、アイスランドの16歳ストライカーOttar Magnus Karlssonの加入がほぼ内定、16歳のDF、Nathan Layderをクラブ・ブルッヘから獲得、そしてオランダU-18代表にも選ばれている右ウイング、Anwar El-Ghaziとの契約にも至っています。すでにチームに加入しているイラン・ボッカラやルーカス・アンデルセンなどの若手とともにアヤックスの未来を作っていって欲しいですね。




来シーズンこそはチャンピオンズリーグでの結果を残したいアヤックス。どうなるか楽しみです。







2013年4月21日日曜日

3連覇に近づくアヤックスと"Danish Dynamites"


アヤックスはエールディビジ第31節を終え、勝ち点67で首位に立ちます。2位PSVは勝ち点63、今晩のフィテッセ対フェイエノールト戦でフィテッセが勝った場合、フィテッセが勝ち点64で2位に踊り出る可能性もあります。


開幕当初はPSVが圧倒的な戦力を持っていると思われており、実際ものすごい勢いで得点を重ねていたPSVですが、大事な局面で守備の脆さを見せてしまい、結局未だに2敗を保つアヤックスが首位を守る展開になっています。


第30節のアヤックス対PSVの頂上決戦は3-2でアヤックスの勝利に終わり、この結果アヤックスは優勝をグッと引き寄せたことになりました。31節のヘーレンフェーン戦は1-1の引き分けに終わったものの、残り3試合NAC、ヴィレムII、フローニンゲンと格下相手の試合が続くため、よほどの波乱がなければこのままアヤックスの優勝となりそうです。


今シーズンのアヤックスでセンセーショナルな活躍をしたのは、間違いなくヴィクトール・フィッシャー。デビューシーズンながらリーグ戦8ゴールを記録し、18歳ながらチームの主軸として活躍しています。特にNEC戦でのこのスーパーゴール。






同じくデンマーク出身のクリスチャン・エリクセンは、好調・不調の波は激しいものの、CLやPSV戦など重要な局面で活躍し、ヘラクレス・アルメロ戦ではフィッシャーに負けじとスーパーゴールを決めてみせました。




若く、才能あふれるこの二人に注目が集まっています。エリクセンは今夏の移籍を特集した雑誌では必ずといっていいほど名前が出てきます。


しかし、今シーズン素晴らしい活躍を見せているデンマーク人が、あと二人います。この二人の活躍がなければ、今アヤックスが首位に立っていることはないでしょう。


一人目は、ラッセ・シェーネ。NECから今シーズン加入した26歳は、今シーズン29試合に出場し6ゴールを決めています。中盤の攻撃的な位置が主戦場ですが、守備的MFを務めることもでき、また右ウイングでのプレーもできるユーティリティープレーヤー。正確な技術から中盤のポゼッションに貢献し、粋なパスでゴールをアシストする。そして決定的な場面で思いきりの良いミドルシュートからゴールを奪えるという、状況判断に優れたインテリジェントで頼もしい選手です。

Lasse Schone

シェーネはデンマーク出身ですが、16歳の時からヘーレンフェーンのユースに所属。しかしヘーレンフェーンでのデビューは叶わず、当時エールステ・ディヴィジ(2部リーグ)のデ・フラースハップに移籍。2006年から2008年までに70試合以上に出場し、NECへ移籍します。ここでシェーネは125試合33ゴールと、チームのエースとして活躍。今シーズンはじめに、フリートランスファーでアヤックスに加入しました。


特に後半戦はチームに完全にフィットし、渋いけれどMVP級の活躍を見せています。PKキッカーを任されることもあるなど、すでにチームになくてならない存在になっています。







そして、もう一人忘れてはいけないのが、クリスチャン・ポウルセン。シャルケ、セビージャ、ユベントス、リバプールといったヨーロッパの強豪チームを渡り歩いたベテラン。ハードなマークで相手を潰す守備的MFです。


Christian Poulsen


加入当初は、近年は代表からも引退し全盛期を過ぎてしまっており、またアヤックスらしい足元の技術がある選手でもなかったため、昨年のオーイェルのようにベンチからチームを盛り上げるような役割が期待されているのではないかということが言われたりもしました。しかし、シーズン後半になってチームに完全にフィット。守備的MFをControlling midfielderと呼ぶことがありますが、最近のポウルセンはまさにアヤックスのお家芸であるDF含めた低い位置からの丁寧なポゼッションをコントロールする役割を担っています。


常に攻撃的にプレーしたいアヤックスにとって、まず行うべきは攻撃で数的優位を作ること。サイドバックが高い位置をとれるようにするため、キーパーがボールを持ったらまずアルデルヴァイレルトとモイサンデルの両CBがワイドに開き、ブリント、ファン・ラインの両サイドバックを前線に押し出します。しかし、ここで問題になるのが中央のスペース。CBがボールを保持した時に縦のコースが消されている場合、中央のサポートがなければやり直しができなくなるし、ミスがあると一気に中央突破される可能性があります。ここを埋めるのが守備的MFの役目。昨シーズンはヤンセンやアニタがCBの間まで下がってきて、ボールを散らす役目を担っていましたが、ポウルセンも最近はこういった役割をこなしています。PSV戦では特にこの役割がバッチリはまっていました。



アヤックスは若いチーム。それゆえにエリクセンやフィッシャーといった若い才能に注目が集まりがちですが、経験豊かなこの二人がいなければここまで安定したシーズンを過ごすことはできていないでしょう。


残り3試合。きっちり全勝して3連覇を果たし、来シーズンこそはヨーロッパで結果を残してほしいものです。また、来シーズンは怪我でトップチームでの試合から離れている左サイドバックのボイレセンや、今シーズン加入したアンデルセンといった他のデンマーク人選手の活躍も見ることができるといいですね。



2013年3月3日日曜日

アヤックスのEL敗退とエールディヴィジの衰退


アヤックスは先日行われたヨーロッパリーグ一回戦、ステアウア・ブカレストに敗北しヨーロッパの舞台から姿を消しました。アムステルダム・アレナにおける第一戦は2-0で勝利したものの、敵地に乗り込んだ第二戦では90分戦って0-2、延長線でも決着がつかずPK戦で敗北が決定しました。

アヤックスはこれで二年連続でチャンピオンズリーグのグループリーグ敗退からヨーロッパリーグに回り、一回戦で敗退していることになります。

もっとも、去年は一回戦の相手はマンチェスター・ユナイテッド。それでも敵地オールド・トラッフォードで勝利を収めた実績もあるだけに、明らかに格下のステアウア相手の敗退は失望的な結果と言わざるを得ません。今年のヨーロッパリーグ決勝はアムステルダム・アレナで行われる予定なだけに、是が非でも勝ちたかったアヤックス。しかし肝心な所での勝負弱さが出てしまい、願いは叶いませんでした。

その後のエールディヴィジの試合でもアヤックスは苦戦。EL後のADOデンハーグ戦では圧倒的に攻めながらも勝ちきれず1-1でローダJC戦に続く引き分け。昨日のトゥエンテ戦では2-0で勝利と持ち直したものの、首位PSVとの勝ち点差2をひっくり返すことができるかどうかは微妙なところです。

アヤックスの敗退に伴い、エールディヴィジのチームはチャンピオンズリーグからも、ヨーロッパリーグからも、姿を消したことになります。エールディヴィジのクラブは、小野伸二が所属していたフェイエノールトが2002年にUEFAカップを制して以降、欧州でタイトルを取ることができていません。今回は、アヤックス自体の弱体化と、エールディヴィジ全体の衰退について考えてみたいと思います。


アヤックスの危機

アヤックスは1994-95シーズンに欧州を制覇しました。当時のアヤックスは若手とベテランが融合し、ユースアカデミーが生んだ10年に一人といったような逸材がたまたま奇跡のように揃っていたからこそ結果を残すことができました。しかし、ボスマン判決以降、オランダのクラブからの選手の流出は止まることがなく、エールディヴィジは苦しい時期を迎えています。


アヤックスのユース育成は全世界に影響を与えています。それ自体は素晴らしいことですが、国内外問わずアヤックスのモデルをコピーするチームが増えてきました。現在もアヤックスは多くのタレントを輩出していますが、圧倒的な才能を持ったオランダ人のタレント―例えばクライファート、スナイデル、ファン・デル・ファールトのような―を輩出することはできていません。

オランダ代表の各カテゴリーに、何人のアヤックスの選手が含まれているのか以下の表にまとめてみました。


【アヤックス所属選手の人数】
カテゴリーGK DF MF FW 
Oranje1 2 0 0 
Jong Oranje0 0 00
Beloften0 3 0 1 
Oranje onder 191 0 1 1 
Oranje onder 171 4 1 1 
合計3 9 2 3 


※それぞれのカテゴリーの説明↓
  • Oranje…フル代表。フェルメール、ブリント、ファン・ラインが選出。2013年2月6日親善試合イタリア戦。
  • Jong Oranje…オランダ代表リザーブチーム。2月5日クロアチア戦。フィテッセのファン・アーンホルト、PSVのワイナルダム、ボルシア・メンヘングラードバッハのルーク・デ・ヨングなどが選出
  • Beloften…Jong Ajaxなどのリザーブチームが集結するリーグ戦からの選抜。2月6日アイルランド戦。
  • Oranje O19…19歳以下代表。2月6日スコットランド戦。
  • Oranje O17…17歳以下代表。ポルトガルで行われる4カ国対抗戦へのメンバー。

明らかにDFばかりというのがわかります。もちろんDFのタレントが出てきているのはいいことではあるのですが、MFやFWでオランイェレベルの選手が出てきていないのは非常に気にかかります。それに比べるとフェイエノールトはクラシー、フィルヘナ、ボエティウス、アチャバルなど中盤・前線に多くの素晴らしい若手選手を揃えています。

ちなみに以下がそれぞれのカテゴリーで選ばれているMF・FWの選手です。
  • Beloften…ヨディ・ルコキ(FW)
  • O19…アブデルマレク・エル・ハスナウィ(MF)、ニック・デ・ボント(FW)
  • O17…メルフィン・フィッセルス(MF)、ヤメス・エフモルフィデス(FW)

この他にも暗いニュースはいくつかあります。昨年決勝まで進出したNextGenシリーズですが、今年はベスト16で敗退。昨年はフィッシャーやクラーセンがオランダ国外のメディアでも注目を集めましたが、今年はそこまで注目される選手がいなかったことも気になります。


暗い話題ばかりに触れるのもなんなんで、明るい側面にも触れておきます。O19については、プレセレクションにはGKで選ばれたミッキー・ファン・デル・ハート、MFエル・ハスナウィとFWデ・ボントの他にもFWダンゼル・グラーフェンベルフ、MFシナン・ケスキン、GKピーテル・レーヴェンブルフ、FWクエンシー・メニグが選ばれています。ちなみにNextGenシリーズのHPではメニグが注目選手として紹介されていたりもします。

ただ、いずれにせよ、10年に一度のスターレベルの選手が出てきているわけではないのが現状です。今年はフィッシャーがブレイクしていますが、彼も純粋な生え抜きとは言えない選手。スナイデルのように、8歳の頃からアヤックスのユースで育ってきたようなオランダ人スター選手は、残念ながら出てきていません。


エールディヴィジの抱える問題

よく言われるように、エールディヴィジのすべてのクラブの予算を合わせても、レアル・マドリーの予算には及びません。そして各クラブの財政難は、近年特に顕著です。

2010年、120年の歴史を誇るオランダ最古のクラブ、ハーレムが破産しました。2011年にはRBCローゼンダール、そして2012年にはAGOVVが破産。2009-2010シーズンにオランダの全クラブで計上された負債総額は約100億にもなりました。

KNBV(オランダサッカー協会)はUEFAのファイナンシャル・フェアプレー制度に合致する形で、より厳格なライセンス制度を導入し、クラブの財政状況に関する調査を行いました。この制度の元、KNBVはオランダの各クラブに定期的な財政状況の報告を義務付け、各クラブを財政的に「不適切」・「適切」・「素晴らしい財政状況」の3カテゴリーに分類しました。この結果2010-11シーズンにおいて、13のクラブが「不適切」のカテゴリーに分類されることとなりました。

しかしながら、少しずつ状況は改善されています。2011-12シーズンにおいて「不適切」カテゴリーのクラブは6にまで減りました。

さらに、2012年、FOXが10億円以上とも言われる巨額で、12年間分のエールディヴィジの放映権を獲得。これによって各クラブの放映権料による収入が増えることが期待されています。


最後に

いずれにせよ、短期間でアヤックスやエールディヴィジの苦境が改善される見込みはありません。アヤックスの場合、今夏はエリクセンの放出がほぼ決定的なので、戦力のさらなるダウンは免れませんし、エールディヴィジのクラブが欧州で結果をコンスタントに残せるようになるには長い時間が必要でしょう。アヤックスについては、まずはリーグ3連覇、そして来季こそはCLでグループリーグを突破してほしいですね。


Nick de Bondt







2013年1月26日土曜日

ダフィー・クラーセン ― De Nieuwe Bergkamp


先日のクラシケルでは、フィッシャーのセンセーショナルな2ゴールもあり見事勝利。カップ戦含めると既に今シーズン7ゴールを決めているフィッシャーへの注目はますます高まり、本格的にブレイクした感があります。(UEFAもウェブサイトで彼についての記事を載せていました→http://jp.uefa.com/memberassociations/association=ned/news/newsid=1913253.html)


しかし、アヤックスの注目の若手は、もちろんフィッシャーだけではありません。今日フォーカスするのは、昨シーズンデビューしたユース出身のMF、ダフィー・クラーセン。現在負傷中ですが、1ヶ月程度で復帰が見込まれるという報道もあるこのプレーヤーについて、少し書いてみたいと思います。







1993年、アムステルダム近郊のヒルベルサム(Hilversum)で生まれたクラーセンは、2004年、11歳のときにアヤックスにスカウトされ、そこからアヤックスのユースアカデミー、De Toekomstでプレーし始めます。


彼の名が知られるようになったきっかけは、間違いなく去年のNextGenシリーズでしょう。アヤックスユースの10番を背負い、キャプテンとして活躍した彼は、フィッシャーなどのFWに絶妙なパスを送り続けただけでなく、自らも得点を決めてチームの準優勝に大きく貢献しました。

エールディビジデビューは、昨シーズンのNEC戦。投入されてから1分も経たないうちに鮮やかなデビューゴールを叩きこみ、アムステルダム・アレナに衝撃を残します。ちなみにデビュー戦でゴールを決めた選手のリストにはクライフ、ファン・バステン、クライファートなど錚々たる名前が並んでおり、こういった事実も彼への期待が集まる理由でしょう。



ポジションは攻撃的ミッドフィルダーで、FWとしてプレーすることもできる柔軟性を持った選手。爆発的な得点力があったり、奇想天外なクリエイティビティーを発揮するようなタイプの選手ではありませんが、アヤックスのユース育成の基礎となるTIPS(Technique, Insight and Intelligence, Personality, Speed)のモデルを体現する選手である、という説明が非常にしっくりくる選手だと思います。

基礎技術に優れたクラーセンは、トラップの精度が高くワンタッチでも正確にボールをさばくことができます。頭の良い選手で、スペースを見つけて走りこみ、パスを受けてリズムを作るプレーが得意。それでいてゴール前では落ち着き払ったプレーを見せ、難易度の高いシュートもしっかりと枠に飛ばします。ちょうどシーム・デ・ヨングのような選手と言えるかもしれませんが、クラーセンはシームよりももう少しパスの技術に長けている印象です。往年の名選手、リトマネンもしくはベルカンプのような万能型の選手。

De Boer: Gunners zagen al Bergkamp II in Davy Klaassen
こちらはプレシーズンのイングランド遠征の際、デ・ブール監督がホテルでノリッチvsアヤックスの試合を見たアーセナルサポーターからクラーセンについての評価を聞いたという記事。そのアーセナルサポーターはクラーセンは「ベルカンプのよう」と評し、彼がエリア上のスペースを非常に上手く使っていたことを称賛したとのこと。


彼が注目を集めている理由は、彼がオランダ人であり、「10番」であること。アヤックスは90年代半ばのような成績を欧州で残すことはなくなったとはいえ、近年も優秀な若手を輩出し続けてきました。記憶に新しいところで言えばフェルトンゲン、そして現チームで言えばエリクセンやフィッシャー。しかしフェルトンゲンはベルギー生まれ、エリクセンとフィッシャーはデンマーク代表です。幼少の頃からアカデミーに在籍し続けるオランダ人選手で、しかも得点を決められる10番タイプの選手は、スナイデルやファン・デル・ファールトを最後に長らく輩出することができていないのが現状です。シーム・デ・ヨングはエールディビジで継続して素晴らしい活躍を見せていますが、オランダ代表には定着することができておらずファンは今でも「次のスナイデル」を探し続けています。


この2月で20歳になるクラーセンは飛び抜けて若いわけではなく、ほぼ同世代のAZのアダム・マヘルやフィテッセのマルコ・ファン・ヒンケルはすでにチームの主軸として活躍し、オランダのフル代表にも選出されています。それでもクラーセンはアヤックスの今後数年を引っ張る選手に成長する可能性を秘めており、デ・ブール監督もその才能を認めています。


2012/13シーズン前半のほとんどを怪我で棒に振り、2試合の出場に留まったクラーセンですが、2月末頃の復帰が期待されています。後半戦、そしてシーム・デ・ヨングやエリクセンがチームを去るであろう来シーズン、クラブの新たな顔として成長していって欲しいと思います。







2013年1月1日火曜日

Gelukkig Nieuwjaar! / Media Polls

あけましておめでとうございます。

このブログ、最初は英語で書いているブログのサブ的な扱いで始めたものでしたが、最近は忙しくて母語の日本語で書くほうが楽というのもあり、今後はこちらの更新を増やしていきたいと思っています。たまには英語ブログの方も更新したいですが。

日々のニュースなんかだと僕よりももっとしっかりとアヤックスの情報を追っていらっしゃるブロガーの方もいると思いますし、今の時代Goal.comみたいなサイトを見てもいいし、いくつかあるアヤックスのファンサイトやオランダの新聞・サッカー誌をGoogle翻訳か何かで翻訳して読んでもいいし、Twitterやfacebookなんかでも気軽に情報は手に入ります。また、僕はどちらかというとAjaciedとしては新参者でもあります。

なので、今年も最新のニュースを追いかけるというよりは、ちょっとおもしろい視点からアヤックスやエールディヴィジのことをグダグダと語っていこうと思います。今年はサッカーの戦術論にもう少し詳しくなったり、オランダ語も少しは読めるように勉強したいと思っています。

見てくれている人が多いとは言えないブログですが(汗)、何かの拍子で見て下さった方は、今年もよろしくお願い致します。

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さて、アヤックスのファンサイト、Ajax Showtimeにはファンによる投票を行うページ(Media Polls)があります。最近の投票で、比較的投票数が多くて面白いなと思ったものをいくつか翻訳してみます。



  • アヤックスは次の冬の移籍市場で補強をするべき?
はい1340票73%
いいえ492票27%
多くの人が何らかの補強が必要と感じているようですね。今シーズンの終わりにエリクセン、シーム、トビーあたりがごっそりと抜けるような事態も想定されるので、シーズン終了後も見据えた補強がこのタイミングで必要なのかもしれません。



  • ファン・デル・サールは適切な人材?
はい(真のAjaciedだから)1930票85%
いいえ(リーダーではないから)140票6%
いいえ(別の理由で)197票9%
基本的に、クライフの意向に沿って行われたクラブ出身プレーヤーを中心に据えた人事改革はファンからは理解を得ているようです。「真のアヤックス人」(een echte Ajacied)という表現はフランク・デ・ブールに使われているのも見たことがありますね。



  • アヤックスにはサミュエル・アルメンテロス(22)と契約してほしい?
はい(冬に移籍で)1029票37%
はい(夏にフリーで)1043票38%
いいえ、いい選択ではありません702票25%

スピッツ(ストライカー)の獲得候補として昨年夏から噂になっているヘラクレス・アルメロのサミュエル・アルメンテロス(Samuel Armenteros)は1990年生まれの22歳。スウェーデン生まれのストライカーは今シーズン現時点まで17試合で9ゴールと好調を維持しており、来夏には契約満了でフリーになってしまうため、冬の移籍も十分ありえる状況。テクニックがありアクロバティックなゴールを決められる選手なので、前線の活性化のためにはいい選択かもしれません。



  • アヤックスはもう一人スピッツを獲得するべき?
はい(ニクラス・ヘレニウス)989票39%
はい(サミュエル・アルメンテロス)471票19%
はい(上記以外)269票11%
いいえ797票32%

しかし、この質問ではアルメンテロスよりもデンマークのオールボルグでプレーするニクラス・ヘレニウス(Nicklas Helenius)の人気が高い模様。ヘレニウスにはチェルシー、マンチェスター・シティ・フルハムなどのプレミアリーグのクラブの他、フェイエノールトやヴォルフスブルクも興味を示しているとの報道があり、すでにデンマーク代表にも招集されている期待の若手。エリクセンも彼について「非常に才能のあるプレーヤー」と語っています。195cmの長身なので、加入すればチームのプレーの幅も広がりそうですね。ちなみにオールボルグからは今シーズンルーカス・アンデルセンが加入しています。



  • 怪我をしている選手がいない時、誰がアヤックスのスピッツであるべき?

ダニー・フーセン374票16%
コルベイン・シグトールソン1514票65%
ライアン・バベル277票12%
シーム・デ・ヨング168票7%

1位が圧倒的にシグトールソンなのは順当でしょう。早く復帰して欲しいものです。少し面白いと思ったのは、フーセンがバベルよりも上に来ていることでしょうか。バベルは1年間のみで出ていくことがほぼ間違いないという事情も考慮している人が多いと思いますが、フーセンも徐々にファンの信頼を獲得しつつある選手の一人です。ボールも収まるし、あとはプレーの精度を高めてもったいないミスを減らせば化けるかもしれないプレーヤー。一方でシームは個人的にはスピッツではなく飛び出しに特徴を持ったOMFとして成長して欲しいですね。

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たまに今回取り上げたような面白い投票をしていたりするので、これからもチェックしていこうと思います。












2012年12月30日日曜日

2012/13シーズン前半戦総括




オランダ・エールディビジは前半戦を終え、ウィンターストップに入りました。

アヤックスは現在勝ち点37で、共に勝ち点40のPSVとトゥエンテを追って3位につけています。また、「死のグループ」と形容されたチャンピオンズリーグのグループDでは3位に終わり、ヨーロッパリーグへの出場を決めています。2月14日に決勝トーナメント一回戦のステアウア・ブカレスト戦が待っています。

今シーズンのアヤックスについて少しまとめてみたいと思います。


1.新加入選手

今シーズンの新加入選手は以下のとおりでした。

  • ニクラス・モイサンデル(CB)
  • クリスチャン・ポウルセン(DMF)
  • トビアス・サナ(RWG/LWG)
  • ラッセ・シェーネ(OMF/DMF)
  • イラン・ボッカーラ(OMF/DMF)
  • ダニー・フーセン(FW)
  • ルーカス・アンデルセン(FW)
  • ライアン・バベル(FW)


このほか、以下の選手がユースから昇格してトップチームでの出場機会を得ています。

  • ヨエル・フェルトマン(CB)
  • ステファノ・デンスヴィル(CB)
  • ミッチェル・ダイクス(LSB)
  • レズリー・デ・ザ(FW)
  • ファビアン・スポルクスレデ(DMF)
  • ヴィクトール・フィッシャー(FW)


アニタ、フェルトンゲン、ヤンセンといった中心選手がチームを去った今シーズンは、現実的な見方をすれば戦力はダウンしたと言わざるを得ないでしょう。総じて、高いパフォーマンスを見せている新加入選手はCBのモイサンデルとMFのシェーネくらいのもののような気がします。

ポウルセンは単純なミスが多く安定したパフォーマンスを見せることができておらず、サナは加入当初の衝撃を見せ続けることができませんでした。バベルは出場時にはターゲットマンとしてある程度の活躍を見せましたが、得点は2点のみで怪我で離脱ということで、WSDは「まったくの期待はずれ」といった表現までしていました(個人的にはこんなものだろうという印象なので期待はずれってことはないと思っていますが)。

フーセンやフィッシャーは経験不足感が否めませんでしたが、あの年齢でここまでやれてることは誇っていいことだと思うので、今後に期待でしょうか。モイサンデルはCLでも点決めたし、徐々にフェルトンゲンがやっていたような後方からゲームメークをするような役割を担いつつあるので、期待。個人的には、ボッカーラ、アンデルセン、スポルクスレデあたりに今後出場機会が増えていくことを期待しています。


2.前シーズンから引き続き在籍していた選手



際立ったパフォーマンスを見せたのはダレイ・ブリント(LSB)でしょうか。生粋のAjaciedながら今までファンからも散々いらないと言われ続けてきたちょっと可哀想な選手ですが、ユース上がりのダイクスとのポジション争いに勝利し、エールディビジでは18試合に出場しています。一対一で簡単にやられることも少なくなったし、持ち前の確かなテクニックを武器にした攻撃参加も地味ながら効果的だった。細かなパスをつなぐのがうまい選手なので意外とボランチあたりでも使えるんじゃないかと思ったり。あとはゴールやアシストがあればもっと乗って行きそうなので期待したいけど、契約延長するかどうかよくわからないのでもしかしたら1月に出ていく可能性も。

今シーズンチームを去ったフェルトンゲンからキャプテンを引き継いだのはシーム・デ・ヨング。NUsportによってエールディビジのファン投票人気ナンバーワンに選ばれ(※1)、かつVoetbal Internationalによって得点数とアシスト数を合計した結果「2012年で最も価値のあるプレーヤー」に選ばれました(※2)。CLでシティーに対して1勝1分の成績を残せたのは間違いなく彼のおかげです。アレナでファンラインのクロスを渾身のハーフボレーで叩き込んだ同点ゴールは個人的に今のところ今シーズンで一番興奮した瞬間でした。ここぞという時に必ず点を決める稀有な才能の持ち主。あとは安定したパフォーマンスを出せるようになれば…。とても好きな選手ですが、さすがにこんだけずっと出場しっぱなしよりは調子悪い時は下げて他の選手に機会与えてもいいんじゃないかと思います。

エリクセンは大事なところでゴールも決めているし、CLでもある程度活躍できたし、少しずつレベルアップしている感はあります。もはや欧州で注目の若手という話になると必ず出てくる選手。今シーズン限りかもしれませんが、応援したいです。

逆に少し気になるのはブーリフテルとトビー。ブーリフテルは、昨シーズン怪我をする前まではすごい選手だと思っていたけど、少し迫力がなくなっている感じがしますね。やはりウィングといえどもゴールが少ないのが気になります。復調に期待。トビーも安定感が出てきた気はするんですが、フェルトンゲン並みのスーパーなCBにはまだなれていない感じがしますね。来シーズンもアヤックスに留まりたいといったことを言っていたので、今期と来期でさらに成長して欲しい選手。


3.怪我人について

昨シーズンほど悲惨な状況ではないかもしれませんが、今シーズンも怪我に悩まされているアヤックス。シグトールソン、ボイレセンがいればチーム力は一段上がると思いますし、シーズン序盤で良いプレーを見せていたセレロが怪我をしたのは非常に残念でした。また、若手としては個人的に好きな選手でもあるクラーセンが怪我をしているのは残念。今年はもっと出場機会を増やして飛躍の年にして欲しかっただけに、これによって成長が止まってしまわないことを祈るばかりです。


4.放出されそうな人々

今シーズンはほとんど出場機会を得ることができていないスレイマニは、オーフェルマルスSDが「1月に出ていくのがベスト」と公言。デ・ブール監督の構想外になっていることが明らかになりました。いい選手なのでしょうけれど、怪我がちだし、何よりも財政的な負担が大きいことがネックになっているのでしょうか。確かにファンからしてみても、スレイマニよりもルコキ、フィッシャー、フーセン、アンデルセンなどの若手FWが成長していく姿を見たいというのが本音かもしれません。

また、昨シーズンはNACブレダにローンで借り出されていたロリー・ボネファチアですが、今シーズンのエールディビジでは出場機会を得ることができておらず、1月の移籍に向けてローダと交渉が進んでいる模様。プレシーズンでは少し試合に出ていましたが、敏捷性があり足元の技術もあってなかなか味のあるボランチだと感じました(CBもできるみたいです)。アニタに少し似てるかなと思ったので期待したんですが…ちょっと残念です。

また、上でも触れましたがブリントが残るかどうかは不明瞭な様子です。もしブリントが放出されるとなると、左サイドバックはダイクスとコッペルスになりますが、ボイレセンの怪我が長引く中この2人だけでシーズンを乗りきるとなるとかなり不安ですね…。ちなみに昨シーズンはそれなりに出場機会を得ていたコッペルスにもローン移籍の噂はある模様。


5.前半戦総括

CLについては、「ああやっぱりこのグループだと勝てないんだな」と思う一方で、チーム力の差を考えればシティーを下して3位に入り込めたことは大きな成果ではないでしょうか。リーグについては、結局首位まであと勝ち点3なので、十分な結果を残していると思います。

ただ、低調な内容の試合が多いことは非常に気になりますね。シティー戦みたいにサイド攻撃ばバッチリはまれば面白いサッカーができるんですが、昨シーズンのような迫力のある後方からのビルドアップやスペクタクルなプレーは少なくなっているような気がします。ヤンセンのクリエイティビティーがなくなり、フェルトンゲンの攻撃参加がなくなり、そしてフォアリベロとして動きまわるアニタを中心としたポゼッションができなくなり…といったように、戦術的に補完すべきポイントが多くあり、細部で自分たちのスタイルを確立するのに苦しんでいた印象でした。

ディフェンスの脆さは相変わらずなんですが、得点力不足が顕著でしたね。中盤を支配できても決められない、もどかしい試合が多かったと思います。あれだけゲームを支配していたら、もっと圧倒的に勝たなければいけないと思うのですが、そういう意味では退屈な試合が多かった気がします。トゥエンテ、フェイエノールト、PSVなど上位陣相手にはいい試合をしていたので、下位チームには圧倒的な差を見せてリードした上で選手もどんどんローテションして欲しいと思います。

補強が必要かどうかはよくわかりませんが、3連覇に向けてアヤックスらしいサッカーを見せ続けて欲しいですね。そして、アムステルダム・アレナでのヨーロッパリーグ決勝へ向けて、快進撃を見せて欲しいと思います。

それでは良いお年を。




※1
http://www.nusport.nl/eredivisie/2962631/siem-jong-sympathiekste-speler-eredivisie.html

※2
http://www.vi.nl/nieuws/233310/De-Jong-troeft-Malki-en-Mertens-af-als-MVP-van-2012.htm

2012年11月24日土曜日

アヤックスの未来とヴィクトール・フィッシャー



ブログを書いていない間に様々なことが起きました。チャンピオンズリーグ・マンチェスター・シティ戦での勝利、デ・カイプで引き分けに終わったクラシケル、フィテッセ戦の敗北による無敗記録の終了、ファン・デル・サールのマーケティング・ディレクター就任など。


今回フォーカスするのは、若干18歳、アヤックスの若き期待の星、ヴィクトール・フィッシャー(Viktor Fischer)です。Viktor Fischer - Wikipedia


フィッシャーはウイングとしてもCFとしてもプレーでき、相手ディフェンスを切り裂くシンプルで効果的なドリブルが特徴的な選手。パスセンスや得点感覚にも優れており、特にGKとの一対一では上手さが光ります。デンマーク代表にもすでに選出されています。



フィッシャーは10月20日、ヘラクレス・アルメロ戦でエールディビジデビューを果たし、KNBVベーカー杯のONSスネーク戦でトップチームにおける初ゴールをマークしました。2-2の引き分けに終わったチャンピオンズリーグ、アウェーでのマンチェスター・シティ戦でも終了間際に交替で出場を果たし、チャンピオンズリーグデビューも飾っています。



彼のエールディビジ初ゴールは、彼にとって初のスターティングメンバー入りの試合ともなったPECズヴォレ戦でした。この試合でフィッシャーは2得点をマークすることとなります。



90年代中盤の黄金期の後、長らく低迷しているアヤックスですが、ここ数年はクラブのレジェンドであるヨハン・クライフの哲学に沿ったクラブ運営を行うことによって、組織改革がなされています。今では、監督のフランク・デ・ブールを筆頭にユースチーム監督のウィム・ヨンク、アシスタントコーチのデニス・ベルカンプ、スポーツ・ディレクターのマルク・オーフェルマルス、そして新たに就任したマーケティング・ディレクターのエドウィン・ファン・デル・サールといった、クラブの黄金期を支えたオランダ人たちが要職に就いています。彼らの目指すのはクライフの哲学の実現。すなわちユース育成をクラブの根幹とし、伝統的な4-3-3でワイドにサイドを使ってボールを保持する攻撃的フットボールを行うことです。


だからこそ、ユース出身選手の活躍は不可欠。クライフを神格化するアムステルダムのファン達にとって、ユース出身選手が活躍するということは、試合結果やリーグ順位がどうであれ、クラブが正しい方向に向かっていることを示すことになるのです。


そんなクラブの姿勢を表す印象的なエピソードを紹介している記事がこちら。
AJAX AND THE ART OF BICYCLE MAINTENANCE



11月3日、肌寒いアムステルダム・アレナでアヤックスは0-2でフィテッセに負けようとしていました。アヤックスはオランダ王者。ファンがこの内容に満足するはずはなく、ブーイングと指笛が鳴り響きます。


そんな中ベテランのポウルセンに替わってピッチに入ってこようとしていたのは、18歳のフィッシャー。ブーイングは止まり、スタジアムを楽観的な雰囲気が包み込みます。


ファン達は、フィッシャーがハットトリックを決めてくれることを期待しているわけではありません。今すぐには結果を出せなくてもいい。クライフも言うように、トップクラスのプレーヤーを育てるのには時間がかかるから。アムステルダムのファン達はそのことを世界中のどのクラブのファンよりもよく知っています。


Don't worry about a thing, 'cause every little thing gonna be alright.
大丈夫、心配しないで。どんな小さなことまでも、きっとうまくいくから。
(Bob Marley - Three Little Birds)





これはフィッシャーに限った話ではありません。今もクラブは優秀な若手を多く抱えています。フィッシャーを筆頭に、ファビアン・スポークスレデ、ルーカス・アンデルセン、イラン・ボッカーラ、ダフィー・クラーセン、ダニー・フーセンといった選手たちが、往年の名選手たちの指導の下で、着実に実力を蓄えています。


De wereld van Fischer
フィッシャーは、アムステルダム川のほとりにある美しいホストファミリーの家で朝目覚め、学校の勉強を行い、昼になるとバッグに荷物を詰め込み、自転車に15分ほど乗って、クラブ施設のDe Toekomstへ向かいます。そこでフランク・デ・ブールから戦術的な指導を受け、デニス・ベルカンプからどうやって得点を決めるべきか教えてもらえるのです。若手選手にとってこんなに素晴らしい環境があるでしょうか。



焦らず、アヤックスでじっくり成長してくれればいい。近い将来、彼らは必ずやアヤックスをリーグ優勝に導き、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントで結果を残せるチームに再生してくれる。そんな淡い期待を、アヤックスのファンは抱き続けています。



De Toekomst、オランダ語で「未来」を表すこの言葉。苦しい時期があっても、自分たちの信念を曲げずにいれば、必ずや未来はある。フィッシャーがいつの日か、チャンピオンズリーグ決勝トーナメントの舞台で、何十億もの金をかけてできあがったマンチェスター・シティのようなチーム相手に得点を決める姿を、誰もが待ち望んでいます。



もちろん楽観的になってばかりはいられない。ディフェンスの脆さや決定力不足が今シーズンは特に目立ち、PSVやトゥエンテとの差はなかなか縮まらない。リーグ3連覇ができるかどうかは微妙なところです。しかしそんな中でも希望はある。若きフィッシャーの活躍が、それを示してくれています。



2012年8月11日土曜日

[翻訳]エールディヴィジを観るべき5の理由

Goal.com Internationalに、「エールディヴィジを観るべき5の理由」という記事が載っていたので翻訳します。


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「ファンボメルの復帰、すべてのチームが攻撃的サッカーをすること、そして今シーズンエールディヴィジを観るべき5つの理由」

オランダのトップリーグはもはやヨーロッパのトップリーグの魅力を持っていないかもしれない。しかしこのリーグに注目すべき理由は多くある。

(ステファン・コエーツ、オランダサッカー記者)

2011-12年のエールディヴィジが終わって3ヶ月と少し、オランダのトップリーグは金曜夜、ブラバントのライバル同士NACとヴィレムIIが角を交えることでついに戻ってくる。土曜日にはPSV、日曜日にはアヤックス、フェイエノールト、トゥエンテ、AZの試合が待っている。

確かに、スター選手が次々と国外へ流出することによって、エールディヴィジはかつてのように魅力的で成功したリーグではなくなっているだろう。しかし、だからといって注目する価値がないということはない。

アヤックス、フェイエノールト、PSVのようなクラブは未だにヨーロッパ随一のクラブだ。それよりも小さなAZやトゥエンテのようなチームもヨーロッパの舞台で意義ある活躍をしている。

しかし、エールディヴィジはそれだけではない。オランダリーグを観るべき理由は無数にある。

Goal.comがオランダのトップリーグに着目すべき5つの大きな理由を列挙しよう。


・未来のスター

ヨーロッパのトップクラブが大きな費用をかけることなくチームを強化しようとするときにエールディヴィジに注目することをためらわないことは、決して偶然ではない。アヤックスとフェイエノールトはどちらも素晴らしいユース・アカデミーを持っており、息を呑むようなタレントを長年に渡って輩出してきた。PSV、トゥエンテ、フローニンヘン、ヘーレンフェーンといったチームも素晴らしいスカウトを持っている。

ズラタン・イブラヒモビッチ、ヴェスレイ・スナイデル、ロビン・ファン・ペルシーといったようなスターは皆オランダでプレーした経験を持っている。そして、オランダトップリーグには彼らと同じようなタレントが今でも多くいるのである。クリスチャン・エリクセン、ケヴィン・ストロートマン、ジョディ・クラシー、アダム・マヘルといった選手には明るい未来が待っているように見えるし、2012-13シーズンも彼らの才能を見せようと奮起するはずだ。

・マーク・ファン・ボメルの復帰

2005年夏にファン・ボメルがエールディヴィジをさった時、このミッドフィルダーが最高峰のレベルで成功するためのものを持っているかどうかということについては疑問符が投げかけられていた。過去数年でスペイン、ドイツ、イタリアにおけるリーグタイトルを獲得し、バルセロナでチャンピオンズ・リーグの覇者となった35歳の彼は今、そういった批判を黙らせたと言えるだろう。

しかし、オランダを去って7年後、この守備的ミッドフィルダーは母国に戻る潮時だと感じたようだ。ファン・ボメルはかつてのようなワールドクラスのプレーヤーではないかもしれないが、エールディヴィジのレベルでは多くのことを成し遂げることができるし、なによりも彼の比類なき勝利への執着心は今シーズン多くの印象的な瞬間を生み出すだろう。

・すべてのチームが攻撃的フットボールをする

ヨーロッパ中で、いわゆる弱小チームというものは、結果を得るために自陣に深くに下がり90分間を11人で守備することをためらわない。しかし、エールディヴィジにおいてはそのような姿勢は見受けられない。

それをナイーブと呼ぶかどうかは置いておくとして、この国での一般的な合意というのは、チームが相手を苛立たせることしかせずにスコアレスドローで終わるより、魅力的なフットボールをプレーして5対4で負けることのほうにより大きな名誉がある、というものだ。もちろん、シーズン終盤にかけてもう少し規律が見られるようにはなってくるが、一般的に言って降格の危機にあるチームがリーグトップのチームを攻撃的フットボールで打ち負かそうとするのを見ることができるだろう。

・世界で一番エキサイティングなタイトル争い

スペインでは、20チーム中18チームは、シーズンの最初からリーグ3位が彼らの獲得できる最も良い結果であろうということを知っている。セリエA、ブンデスリーガ、プレミアリーグも同じように、予想通りのチームにおおかた支配されてしまっている。しかし、オランダはそうではない。

過去5シーズンで4つの異なったチームがリーグタイトルを獲得することに成功している。さらに、昨シーズンは6チームが最後の最後までエールディヴィジのタイトルを争っていたのである。これは世界中でもっともエキサイティングなタイトル争いのひとつ―世界一ではなかったかもしれないが―であった。今シーズンも同じようになることを期待したい。

・時折ある笑える守備

リーグが誇る売りどころではないかもしれないが、エールディヴィジは時々笑いを誘うような守備を見せることがある。少しくらい笑える守備があってもいいだろう?

昨シーズン、アーセナルのチェルシーに対する5-3の勝利において、ジョン・テリーがロビン・ファン・ペルシーを止めようとしたことを思い出して欲しい。もしくは、ペア・メルテザッカーが時々見せるプレーでもいい。似たようなことがエールディヴィジのトップの戦いでは起こる。PSVの右サイドバック、スタニスラフ・マノレフはその「特徴的な」プレースタイルでカルト的な地位を手に入れている。オランダ代表チームは長年ディフェンスに苦しんでいる。リーグを見てみれば、その理由が分かるだろう。

(出典: "The return of Mark Van Bommel, all teams playing attacking football & five reasons to watch the Eredivisie this season", By Stefan Coerts http://www.goal.com/en/news/1717/editorial/2012/08/10/3296924/the-return-of-mark-van-bommel-all-teams-playing-attacking)








2012年6月3日日曜日

アヤックスはヨーロッパを制覇できるのか

今日はアヤックスの来シーズンへの展望について書いてみようと思います。


来シーズンの展望と言っても、移籍はユーロが終わった後に色々決まると思うので、誰が残って誰が入ってくるのかもわからない状況です(ちなみにフェルトンゲンはスパーズへの移籍がほぼ確定、ファン・デル・ウィールはローマからのオファーを断り、CL出場チームからのオファーを待つようです)。なのでどちらかというとチームのマネジメントのこと、ユースアカデミーのこと、戦術のことなど、アヤックスというクラブ全般に関わることについて、最近指摘されていることを掻い摘んでまとめてみようと思います。


ところで、Numberが最近、レアルとアヤックスのビジネスモデルを比較する記事を書いていました。指摘されていることは単純で、世界のスタープレイヤーを揃え、世界中のサポーターを「顧客」とみなすレアルに対し、アヤックスは若手を育てて売りさばくことによって、「ビッグクラブ」を顧客とするビジネスモデルを構築している、というお話です。


アヤックスが取り上げられたのは単純に嬉しいですが、やはりここまで単純化されてしまうと「うーん」と思うところもなきにしもあらず。ビッグクラブを相手どっていることは事実ですが、オランダ国内で見ればアヤックスはユース選手の強引な囲い込みを批判されたりしますし、金で物事を解決しようとしていると批判されることも多いからです。アヤックスはユースから優秀な選手を多く輩出し、その中で一握りはスナイデルやファン・デル・ファールトのように、世界有数のプレイヤーとしてビッグクラブに移籍していきます。しかし、ユース出身者がすべて他リーグのビッグクラブに移籍するわけではありません。トップチームの構想から外れたため、出場機会を得て実力を蓄えるために、国内の他のクラブに移籍する選手が大多数で、その中で一部がアヤックスのトップチームで活躍でき、さらにその中のごく一部のエリートがビッグクラブへの「商品」となるわけです。

この場合、どうなるかというと、毎年誰かしら、ビッグクラブの注目を集める「商品」を生み出す一方で、国内での戦力調達が比較的容易になります。アヤックスは欧州のトップリーグのチームに比べたら財政的に潤っているわけではありません(収入はレアルの5分の1)。しかし、それでもエールディヴィジの他のチームに比べたら裕福なチームなわけです。アヤックスが、国内の別のチームで活躍するアヤックス・アカデミー出身の選手に声をかけた場合、彼らは前向きな返事をすることが多い。トップチームでチャンスを掴むことは彼らの長年の夢だからです。だから、あとはクラブ間の合意次第でわりと簡単に選手が手に入ります。実力的に拮抗しているAZやトゥエンテからも選手がやってくるのは、アヤックスが国内ですら勝てない状況があったとしても、一定のアヤックス・ブランドが構築されているということにほかなりません。(ちょっと余談ですが、ヤンセンが移籍してきたのは、昔彼が起こした事件の賠償金の支払いが終わっておらず、お金が必要だったから、という噂がオランダ人の間で話されたりしていました)




さて、では今アヤックスの中で何が起こっているのか。


アヤックスの優勝について、ファン・デル・ヴィールは「集中力が研ぎ澄まされた」ことが要因であると語っています。途中で別段の戦術の変更があったわけではなく、チームとしての成熟度が高まっていった。印象としては後半になるにつれてデ・ブール監督はフォーメーションやメンバーを積極的にいじるようになったように思いますが、それは戦術が選手に浸透した結果でしょう。デ・ブールが賞賛されるのは、もっぱら経営層のゴタゴタから選手を隔離し、プレーに集中させたことです。彼自身、クライフとファン・ハールのどちらからも恩恵を受けてきた人物なので、複雑な気持ちだったということを語っています。

クライフはクラブのレジェンドで、サポーターからの支持も厚い。シーズン途中、サポーターがクライフへの支持を表明するために、前半14分に一斉にスタンドに入ってくる、なんてシーンもありました。またスタジアムには"Apple = Jobs, Ajax = Cruyff"といった横断幕が掲げられたりもしていました。クライフのような、個人の質を何よりも重要視する考え方は、やはりサッカーファンとしては魅力的だと思います。対してファン・ハールは規律を重要視する監督。日本代表監督で言えばジーコとトルシエの違い、と言ったらわかりやすいでしょうか。そこまで極端ではないかもしれませんが。


デ・ブールは、自身がアヤックスにコーチとしてやってきた時の状況を思い返し、「個人のクレバネスは失われていた。最も高いレベルでの個人のアクションは必要不可欠だ。我々は今、トレーニングにおいてより『個人化』されている(individualized)。これは非常に重要なことだ。」と語っています。彼がまず取り組んだのはユース育成システムの改革。クライフの目指した個人の意思決定能力の高さに依拠するトータルフットボールをアヤックスで復活させようとしたのです。


デ・ブールは自身の立ち位置について、以下のように語っています。

「私は、ルイ・ファン・ハールの、チームを継続的に限界まで物事を推し進めていくようにしたいという願望については共有してる。しかし、フットボールをプレーするということになると、私はヨハン・クライフの哲学に近い。シンプルなフットボールが最も美しい。しかしシンプルなフットボールをすることは、最も難しいことだ。」


彼の言うとおり、今シーズンのアヤックスはシンプルな哲学に基づいてプレーをしていました。フォーメーションが変わろうと、やることはショートパスでボールを保持し、ボールを保持していないプレーヤーが素早く動き出しを始める。GKやディフェンダーも含め全員がアクティブにゴールを目指す攻撃的サッカー。今シーズンのアヤックスは平均ボールポゼッション66%という数字をたたき出しています。そして、そのトータルフットボールを支えるのは、個人の意思決定(decision-making)です。クライフによると、組織的な側面にフォーカスしたファン・ハールとは異なり、自身の(そしてデ・ブールの)目指すモデルというのは、試合の重要な局面において選手個人が状況を打開する判断力を身につけることに焦点を当てています。これが、クライフ自身がプレーしている時代にミケルス監督によって確立されたアヤックスの伝統である、と。クライフの理論は、"Organized Chaos Theory"(組織されたカオス理論)と呼ばれることもあります。そして、デ・ブールの行った改革は、"restoration of intelligence"(知性の復活)と海外メディアに称されます。


個人の知性は、どこに現れるか。


ひとつは、スタッツ。数字です。今シーズンのアヤックスはボールポゼッション率が非常に高かっただけではなく、パス成功率に目を見張るものがありました。一試合平均741のパスのうち、619のパスが成功。実に84%の成功率でした。また、アヤックスは一試合平均18のシュートを打ち、その15%をゴールに結びつけています(一試合平均2.7ゴール)。当然、この数値はエールディヴィジの中では突出したものでした。逆に、被シュート数はRKCに続いてエールディヴィジで2番目に少ない数字を出しています。


そして、成績。二年連続のリーグ制覇を達成したことももちろん重要ですが、ユースチームの活躍(ほぼすべてのカテゴリーでアヤックスの下部組織のチームがオランダを制覇)がめざましく、今シーズンの間にトップチームデビューを果たした選手が多くいることも重要です(リへオン、ファン・ライン、ルコキ、クラーセン、コッペルス、オズビリズ)。ユースの活躍については前回の投稿で少し触れたとおりです。やはり注目はクラーセンでしょうか。毎年アヤックスは誰かしら優秀な若手を排出していて、今ならエリクセンが世界中の注目を集めているわけですが、エリクセンはデンマーク人。クライファート、スナイデル、ファン・デル・ファールトのような個人で攻撃の局面を打開できるオランダ人選手として、期待が高まるのも自然なことかと思います。ただ、やはり非凡な才能は感じさせるもののあと一歩、観客に訴えるものが足りない気もするので、来シーズンあたりにブレイクして欲しいところです(出場機会があるかどうか微妙ですが…)。ちなみにもうひとり注目のフィッシャーですが、来シーズンはまだA1にとどまりトップチーム昇格はまだ先になりそうです。


最後に、数字や成績では測れない部分。特にヤンセンの加入、エリクセンの成長によって、クリエイティブな働きをするプレーヤーが増え、見ていて楽しいフットボールが展開されていたのではないでしょうか。フェルトンゲンはその才能を十分に発揮したと思いますし、デ・ヨングもコンスタントに得点を重ねました。ユトレヒト戦でのスレイマニのアウトサイドでのクロスからのオーイェルのヘディングシュート、ザグレブ戦でのエリクセンの2アシスト、スピッツの代役として活躍したロデイロのチャンスメーク、ヤンセンのルコキへのロングパス、PSV戦でのアイサティのロングシュートなどなど、ファンタスティックなプレーが数多く生まれたシーズンでした。今シーズンのアヤックスはポゼッションをゴールにつなげる際に、個人技に頼る傾向がありました。スペースを生み出し、パスをつなぐところまではチームの戦術としてしっかりやる。しかしフィニッシュへ繋がるパスはエリクセンやスレイマニのセンスに頼っており、ブーリフテル、シグトールソン、デ・ヨングといったしっかりと点を決められる選手の力が最大限発揮された結果、優勝という結果を残すことができました。個人技と組織力がうまく融合しているのが、今のアヤックスだと思います。


そして、これらの成果は、選手として輝かしい実績を残したコーチングスタッフに支えられています。デ・ブール自身が世界的な活躍をした選手ですし、コーチ陣にはヤープ・スタム、マルク・オーフェルマルス、そしてアシスタントコーチのデニス・ベルカンプといった、オランダサッカーの一時代を築いた選手たちが揃っています。これが、個人にフォーカスしたトレーニングを可能にしています。



31回目の国内タイトル。ヨーロッパでインパクトを残すための準備は着々と進みつつあります。


(参考URL)
"Frank de Boer's vision: The whole is greater than the sum of its parts" (AFR)
http://afootballreport.com/post/22661498743/frank-de-boers-vision-the-whole-is-greater-than-the

"Frank de Boer helps take Ajax back to the future" (The Footy Blog)
http://blogs.thescore.com/footyblog/2012/05/17/moallim-frank-de-boer-helps-take-ajax-back-to-the-future/

"Ajax and the Return to Individualism" (La Croqueta)
http://jouracule.blogspot.jp/2012/02/ajax-and-return-to-individualism.html

"Frank de Boer's reinvention and the importance of being Vurnon Anita" (La Croqueta)
http://jouracule.blogspot.jp/2012/04/frank-de-boers-reinvention-and.html

"En dat is 31 - Ajax lift another Eredivisie title after an incredible second season under Frank de Boer" (Always Fitba)
http://alwaysfitba.blogspot.jp/2012/05/en-dat-is-31-ajax-lift-another.html

"Ajax - Frank de Boer Has Brought Back the Title and Tradition" (The Hard Tackle)
http://www.thehardtackle.com/2012/ajax-frank-de-boer-has-brought-back-the-title-and-tradition/

"Shooting Stars of the Eredivisie" (11tegen11.net)
http://11tegen11.net/?p=1690

「名門アヤックスが取り組む"革命"から見える『ユース育成システムの未来像』とは?」(Soccer King)
http://www.soccer-king.jp/column_item/20110124_ajax.html

「レアルとアヤックスの『顧客』は誰か?利益モデルが企業を特徴づける」(Number)
http://number.bunshun.jp/articles/-/224095







2012年5月3日木曜日

アヤックス連覇!それとちょっと来季について

アヤックスがVVVフェンロを2-0で破り、1試合を残してエールディヴィジ連覇を決めました。


2得点をあげたのはシーム・デ・ヨング。彼は去年の最終節、優勝がかかったトゥエンテ戦でも2得点。来シーズンのキャプテンの噂もある"False No.9"が、決めるべきときに決めてくれました。前節までの戦いぶりでほぼ優勝は確定しており、また失礼な言い方になってしまうかもしれませんが相手がフェンロということもあり、去年のトゥエンテ戦のような異状な緊張感はありませんでした。ファンにとっても去年の優勝のほうが嬉しかったでしょうが、デ・ブール監督は今シーズン起こったことを考えると今年の優勝のほうが嬉しい、と語っています。



で、その「今年起こったこと」ですが、アヤックスにとって今年は苦難のシーズンでした。


まずは怪我人。序盤はフェルトンゲンを欠いてスタート、両サイドバックのファン・デル・ヴィールとボイレセンも長期離脱、新加入のシグトールソンとブーリフテルも怪我、挙句の果てにはシームやヤンセンも抜ける時期があったり、スレイマニもシーズン後半を棒に振ったり。結局シーズン開始当初のスターティングメンバーの半分以上が離脱している状態が常態化する中で、シーズン通して怪我なく過ごせたのはキーパーのフェルメールと、アニタ、エリクセンだけでしょうか。

次に、チャンピオンズリーグの敗退。ヤンセン・ブーリフテル・シグトールソンという効果的な補強ができ、また多くの若手選手が成長したこともあり、チャンピオンズリーグではレアルマドリードに次ぐ2位でグループステージを突破できるのではないか、という見方が強かったと思います。リヨンもいいチームだけど、今年のアヤックスならいけるだろうと。実際、アヤックスは最終節までに得失点差でリヨンから優位に立っており、突破が濃厚でした。しかしレアル相手に善戦をしたアヤックスが決めたと思われた2ゴールが誤審により取り消し。そして八百長疑惑まで出たリヨンの7-1での勝利。悪夢のような敗退になってしましました。

また、今シーズンの大きな問題といえば、やはりクラブ運営のミスマネジメント。クライフのダービッツに対する人種差別発言があり、その後クライフがいない場でクライフと犬猿の仲のルイ・ファン・ハールをクラブGMに迎える決定がなされたことで、クライフがクラブを訴えるにまで至りました。結局、クライフを含めた全員が総辞職。株主との話し合いが行われたり、シーズン中盤はクラブを不穏な空気が取り巻いていました。


そんな中、デ・ブール監督は頑固とも見えるようなやり方でチームを導きました。相手が誰であろうと、誰がピッチに立っていようと、ミケルス、クライフといった偉人たちが作り上げてきた伝統のポゼッションサッカーを絶対に崩さず、若手もうまく起用しながら、冬の補強なしでシーズンを乗り切りました。時としてその頑固さは批判の対象になることもありましたが、シーズン途中からアニタをアンカーに置き、ボールポゼッション時には3-4-3、守備中には4-3-3というように形を変える流動的でモダンなフットボールがチームに根付き、一気に波に乗った感があります。怪我人の続出で結局アニタがアンカーに落ち着いた、という不可抗力的な側面はありますが、デ・ブールの指導が0だったわけではないでしょう。


また、ユースチームが目覚しい活躍を見せたことも、大きな収穫でした。アヤックスユースはヨーロッパの強豪クラブのユースチームが戦うNextGenシリーズにおいて、バルセロナやリバプールのユースをいとも容易く退け、決勝まで進出。結局決勝ではインテルユースにPK戦で敗れてしまいましたが、ダフィー・クラーセン、ヴィクトール・フィッシャー、ヨエル・フェルトマン、ステファノ・デンスウィル、レスリー・デ・サといった有望な選手の活躍はヨーロッパで大きな話題になりました。特にクラーセンは日本のサッカー雑誌でも将来のアヤックスを担う存在として取り上げられた逸材。またフィッシャーは未だにトップチームデビューを果たしていないものの、すでにマンチェスター・ユナイテッドが興味を持っているとも噂される17歳。昨シーズン途中のデ・ブール監督就任後、ユースチームはより個人に焦点を当てたトレーニングを行なっていると言われています。(詳しくはこの記事とかが興味深いです(英語))


「我々は自分たちのビジョンに忠実であり続けた」


こうデ・ブールは語ります。2位につけるフェイエノールトのクーマン監督も、デ・ブールは「タイトルに値する」と賞賛しています。


とにかく、苦しいシーズンだった分、嬉しい二連覇になりました。


二連覇はクラブの財政面を安定させる効果も持ちます。来シーズンはNECからデンマーク代表ラッセ・シェーネの加入がすでに決まっており、フェルトンゲンの後釜としてAZのモイサンデルがターゲットとなっている模様。同じくAZの左サイドバックのシモン・ポールセンについては移籍金0での獲得が可能なため、ターゲットになっています。また、ヘーレンフェーンのウイング、ルシアノ・ナルシンも長い間ターゲットになっており、より一層の戦力強化が図られそうです。


フェルトンゲンはビッグクラブへの移籍がほぼ確実、オーイェルは引退、アイサティもリーガ・エスパニョーラ行きを望んでいるという報道がありました。ブリキンも契約延長のオプションを行使しない模様で、チームにフィットしていないロデイロも移籍が濃厚と噂されます。ただ、バレンシアとの交渉を続けるファン・デル・ヴィールは残留に傾いているという噂もあります。ヤンセンについては、年齢的な衰えもあり、やはり昨年のリーグ年間MVPと言えどもスターティングメンバーを約束されているわけではないということを自覚しているようで、このことについてデ・ブールと少し話をしてから去就を決めるとのこと。もっとも、ヤンセン自身はできることなら残りたいと言っており、話し合いも「スターティング・スポットを要求するようなものではないし、10分も話せば十分。自分がチームにとって重要だということがフランクから確認できればそれでいい」というようなことを言っているので、できれば残って欲しいなと思います。


スレイマニは年俸の高さがネックと長年言われていますが、減俸で契約更新交渉を行う模様。ただ、ナルシンが来て、シグトールソンやブーリフテルが万全の状態になった場合、中盤をアニタ・ヤンセン・デヨング(もしくはシェーネ)で構成して、エリクセンをウイングに出すという起用もありえたりするので、もしかしたらスレイマニは放出もありえるかもしれませんね。


スピッツ(センターフォワード)の位置にも、監督は若手の有望なプレイヤーを獲りたいと言っているようなので、ポジション争いはより一層厳しくなることが予想されます。キャプテンを噂されるシームは中盤の方がやりやすいと言っているようですが、テクニック面で他の選手より特別優れているわけではなく、かといって彼の得点感覚と勝負強さは捨て難いし…といったように、デ・ブールにとっても嬉しい悩みが増えることになるかもしれません。



個人的には今シーズン好調でチームを引っ張ったアニタやシームは変わらずレギュラーで居て欲しいし、若手にもチャンスを与えたい(もうちょっと言うとロデイロに残ってプレーしてほしいけど、ちょっと無理かな…)。ただ、ヨーロッパで勝つためには今のメンバーの中で誰かをベンチに座らせる決断も重要。来シーズンこそがデ・ブールの手腕が試される1年になるのでは。


最終節フィテッセ戦は若手主体になりそうなので(VVV戦がフェルトンゲンのラストゲームだったとデ・ブールが明言)、来季を占う意味でも楽しみな一戦。