2014年4月13日日曜日

BBC:フランク・デ・ブールへのインタビュー

前節フィテッセと引き分けたアヤックスですが、2位のフェイエノールトとは3試合を残して勝ち点6差。今節ホームでのADO戦に勝利し、フェイエノールトが引き分け以下なら優勝が決まります。


今シーズンはいまいちぱっとしない内容が続きながらも4連覇が近づいています。しかし、結局チャンピオンズリーグではミランに勝ち切れず、ヨーロッパリーグでもザルツブルグのハイプレッシャーに叩きのめされ完敗。エールディヴィジの弱体化は深刻ですが、フランク・デ・ブールはこの状況をどう考えているのでしょうか。今年2月、彼がBBCのインタビューで英語で語った内容を抜粋してみます。


Interviewer:
When people mention Ajax, most people think of Cruijff, great young players or total football. So how much pressure is that to continue developing great players in the style of total football?

アヤックスのことを話すとき、多くの人々はクライフ、素晴らしい若いプレーヤー、トータルフットボールのことを思い浮かべます。トータルフットボールのスタイルで素晴らしい選手を育て続けることは、どれほどのプレッシャーなのでしょうか?


Frank de Boer:
I think it's a healthy pressure, because we are youthful... and it's our lifeline also, because we don't have the money that they have in England or in Germany or in Spain too. We have to be depending on our youth academy because we cannot buy players from 26 years old for 10 or 15 million euro. So we have to be creative and that's why we put all our money on the youth academy.

健全なプレッシャーだと思うよ。我々は若いし、それは我々の生命線でもあるんだ。イングランド、ドイツ、それにスペインのクラブのような金は持っていないからね。我々は26歳以上のプレーヤーを1000万ユーロ、1500万ユーロといった金額で買うことはできないから、ユース・アカデミーに頼らないといけない。だから我々はクリエイティブにならないといけないし、それこそ我々がユース・アカデミーにすべてのお金をつぎ込んでいる理由なんだ。


I left when I was 28, but now, players are already leaving when they are 23 (or) 24, so we have to get even quicker. Young players get ready to come in the first team.

僕は28の時にクラブを去った。でも今は選手たちは23,24になるともう出て行ってしまう。だから、若いプレーヤーがファーストチームに上がる準備をもっと早くできるようにしないといけないんだ。


A few years ago we lost that grip on it, but now we are more and more aggressive in Europe to get also the youngest talented players to come for Ajax because they know they have the chance to develop better and also we are playing in the Champions League and they get the chances to come in the first team.

数年前、我々はそういった力を失っていた。でも我々は今、ヨーロッパにおいてもより積極的になってきていて、より若くて才能のあるプレーヤーがアヤックスに来るようになってきている。なぜなら、ここでは成長する機会がより多くあって、チャンピオンズリーグでプレーしていて、ファーストチームに上る機会があると皆知っているからね。


Interviewer:
Do you want the European Champions League here with Ajax, with a very young team of course?

アヤックスでチャンピオンズリーグには勝ちたいと思っていますか?もちろん、若いチームで?

Frank de Boer:
Yes.

もちろん。

Interviewer:
But do you think in the current climate with the financial restrictions that you have, when you compare to big clubs like Manchester City who, even after spending all their money they have spent, have never got to the quarter final of the Champions League... So do you think it's now impossible for a club like Ajax to win the Champions League?

ただ、財政的な制約がある現状において、マンチェスター・シティのようなビッグクラブが大量の金を使った後にもチャンピオンズリーグの準決勝すらたどり着けないという状況を見て、アヤックスのようなクラブがチャンピオンズリーグで優勝することは不可能だと思っていませんか?


Frank de Boer:
I always have to dream... that's what we gotta do. If you have the great mixture... that's even also already difficult. You mention that our team was also quite young. I was 25, my brother was 25, van der Sar was 25, and that's just the nice age to be one or two steps further when you are 21 or 22 [...]

夢は見続けなければならない。それが我々がやるべきことなんだ。いい「ミクスチャー」があれば…ただ、それもすでに難しいことなんだ。君は僕がいたチームもとても若かったと言うけれど、僕は25だったし、弟(ロナルド)も25、ファン・デル・サールも25だった。21歳や22歳の時は、1ステップ、2ステップ先に進むのにいい年齢なんだ。

(このあとうまく聞き取れませんでした。ライカールトやダニー・ブリントのことを語っているので、経験あるプレーヤーが当時はいたという内容です。また、今30を超えた選手がポウルセンしかいないけれど、彼は全試合をプレーしているわけではない、ということにも言及しています)

If we still  have the chance to win the Champions League, everything has to be fit at the right time, like six unbelievable talented players and some mid-twenty players who just stay for one or two years more, then we have the chance to reach the semi final and to win the Champions League. It's quite hard, but I'm still dreaming of it.

もし我々にチャンピオンズリーグで優勝するチャンスがあるとすれば、すべてが正しい時に正しい状態である必要がある。例えば、6人の信じられないほどの才能を持った選手たちと、何人かの20代中盤の選手がもう1年、2年長く留まってくれたら、我々は準決勝に進むことができるし、優勝の可能性もある。とても難しいことだけど、僕は今でも夢見ているよ。


もちろん、チャンピオンズリーグの準決勝まで行くことは非常に難しいミッションではあります。しかし、例えば今年のAZは戦力的にまったく充実しているとは言えない中で見事にヨーロッパリーグベスト8に進出しましたし、エールディヴィジのクラブがまったくダメというわけでもない。自分たちのサッカーをいい状態でできれば、勝機ゼロではない。事実、アヤックスは個々数年、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、バルセロナという強豪から金星を上げたこともあります。

今年もクラーセンやフェルトマンがブレイクしたり、キシュナ、デ・サ、リーデヴァルトといったユース上がりの選手が活躍もしています。難しいのは、経験ある中堅~ベテランの確保。シェーネやモイサンデルはぜひ残って欲しいですし、ファン・デル・ファールトが復帰という噂も出ていますが、どうなるでしょうか。

ひとまずは優勝を早く決めてほしいですね。





2014年1月3日金曜日

Eredivisie team of the season so far

Gelukkig nieuwjaar!

2013年、アヤックスは3連覇達成はしたもののヨーロッパリーグではステアウア・ブカレストにまさかの敗戦。エリクセンとトビーを失った新シーズン、フェルトマンやクラーセンが台頭した結果リーグ前半首位で折り返すことに成功するなど明るい話題もある一方で、チャンピオンズリーグではあと一歩のところでまたしてもグループステージ敗退。ヨーロッパでなかなか結果を出せない状況が続き、少し歯がゆい一年になりました。

とはいえ2014年、今年も優勝すれば前人未踏のエールディヴィジ4連覇。1月の試合からはシームやドゥアルテも戻ってくるはずなので、ヨーロッパリーグでの活躍も期待したいところです。


本日は、英語でエールディヴィジの情報を発信する海外サイト"Football Oranje"から記事の紹介です。その名も"Eredivisie team of the season so far"ということで、今シーズンここまでのベストイレブンが紹介されているので、それぞれの選手をここに載せます。

オリジナルの記事はこちら。 
http://www.football-oranje.com/eredivisie-team-of-the-season-so-far/

※選手の国籍、年齢、チームと、Wikipediaのページ、そしてプレー動画を載せます。(日本語があるものは日本語ページ、なければ英語)

Goalkeeper
ロビン・ルイター(Robbin Ruiter) オランダ、26歳、ユトレヒト
http://en.wikipedia.org/wiki/Robbin_Ruiter




Right Back
ケルフィン・レールダム(Kelvin Leerdam) オランダ/スリナム、23歳、フィテッセ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%A0



Left Back
ダレイ・ブリント(Daley Blind) オランダ、23歳、アヤックス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88



Center Back
ヨエル・フェルトマン(Joel Veltman) オランダ、21歳、アヤックス
http://en.wikipedia.org/wiki/Jo%C3%ABl_Veltman



Center Back
エリック・ボテギン(Eric Botteghin) ブラジル/イタリア、26歳、フローニンヘン
http://en.wikipedia.org/wiki/Eric_Botteghin
(動画はNACブレダ時代のもの)



Midfielder
ハキム・ツィエク(Hakim Ziyech) オランダ、20歳、ヘーレンフェーン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%AD%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%84%E3%82%A3%E3%82%A8%E3%82%AF



Midfielder
メンフィス・デパイ(Menphis Depay) オランダ、19歳、PSV
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%91%E3%82%A4



Midfielder
クインシー・プロメス(Quincy Promes) オランダ、22歳、トゥヴェンテ
http://en.wikipedia.org/wiki/Quincy_Promes



Midfielder
ルーカス・ピアゾン(Lucas Piazon) ブラジル、19歳、フィテッセ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%A2%E3%82%BD%E3%83%B3



Forward
アルフレッド・フィンボガソン(Alfred Finnbogason) アイスランド、24歳、ヘーレンフェーン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%AC%E3%82%BD%E3%83%B3



Forward
グラッツィアーノ・ペッレ(Graziano Pelle) イタリア、28歳、フェイエノールト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%84%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%AC



Substitutes
ヤスパー・シレセン(Jasper Cillessen) オランダ、24歳、アヤックス
http://en.wikipedia.org/wiki/Cillessen



カリム・レキク(Karim Rekik) オランダ、19歳、PSV
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%AD%E3%82%AF



アロン・ヨハンソン(Aron Johannsson) アメリカ、23歳、AZ
http://en.wikipedia.org/wiki/Aron_J%c3%b3hannsson
(動画はAGF時代のもの)



ダフィー・クラーセン(Davy Klaassen) オランダ、20歳、アヤックス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%B3



イェンス・トールンストラ(Jens Toornstra) オランダ、24歳、ADOデン・ハーグ
http://en.wikipedia.org/wiki/Jens_Toornstra



フース・ハッパーツ(Guus Hupperts) オランダ、21歳、ローダJC 
http://en.wikipedia.org/wiki/Guus_Hupperts



ルク・カスタイノス(Luc Castaignos) オランダ、21歳、トゥヴェンテ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%B0%E3%83%8E%E3%82%B9




なお、Goal.comも前半戦のエールディヴィジ・ベストイレブンについて記事を書いています。
(http://www.goal.com/en-my/news/3958/europe/2013/12/28/4507155/eredivisie-team-of-the-season-so-far-van-aanholt-piazon-make-the-)

そちらのベストイレブンはこちら。上と被っていない選手には同じように説明と動画をつけます。

GK
ヤスパー・シレセン

Right Back
ケルフィン・レールダム

Center Back
ダリル・ラハマン(Darryl Lachman) オランダ、24歳、PECズウォレ
http://en.wikipedia.org/wiki/Darryl_Lachman
(あまりいい動画ありませんでした)


Center Back
ヨリス・マタイセン(Joris Mathjisen) オランダ、33歳、フェイエノールト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3


Left Back
パトリック・ファン・アーンホルト(Patrick van Aanholt) オランダ、23歳、フィテッセ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%88


Midfielder
ダレイ・ブリント

Midfielder
ダフィー・プロッペル(Davy Propper) オランダ、22歳、フィテッセ
http://en.wikipedia.org/wiki/Davy_Pr%C3%B6pper


Midfielder
ハキム・ツィエク

Right Wing
クインシー・プロメス

Left Wing
ルーカス・ピアゾン

Center Forward
アルフレッド・フィンボガソン


やっぱりディフェンダーはいい動画見つかりませんね。。ボテギンやラハマンは、恥ずかしながらちゃんと見たことがなかったので、アヤックスや上位チームの試合ばかり見て満足せず、今シーズン調子のいいフローニンヘンやズウォレも今後チェックしようと思います。

余談ですが、Football Oranjeのベストイレブン、4-4-2で中盤の守備だれがやるんでしょうか…これだったらエールディヴィジのほぼすべてのチームが採用する4-3-3で、中盤の底に守備もできるブリントを置くGoal.comのベストイレブンの方が強そうですね。

エールディヴィジは若い才能が多くいるリーグです。たくさん動画貼ったので、暇な人は見てみてください。


2013年12月23日月曜日

ヤイロ・リーデヴァルト~Droomdebuut

エールディヴィジは前半戦を終え、ウインターストップに入ります。

前半戦最後の試合、アヤックスはローダJCにアウェーで劇的な1-2の逆転勝利。ヒーローとなったのはこの日エールディヴィジデビューを飾った17歳のDF、ヤイロ・リーデヴァルトでした。


リーデヴァルトは1996年9月生まれの17歳。2007年からアヤックスユースでプレーしており、世代別のオランダ代表にも選ばれている選手です。


現在リーデヴァルトはA1に所属している選手。オランダ2部に参戦しているアヤックスのリザーブチームJong Ajaxにおいても、2013年10月にデビューを果たしており、12月9日のカップ戦でトップチームデビューを果たした選手です。


ボイレセンの負傷に伴い、現在アヤックスは左サイドバックが手薄な状態。フランク・デ・ブールはブリントをなるべく中盤の底のポジションで使いたい思惑があるようで、右利きのリヘオンを使ったり、あるいは本来プレーメーカーの位置に入るドゥアルテを使ったりと、試行錯誤していました。



ローダとの試合では、結局ブリントが左サイドバックに入っていましたが、後半35分にデ・ブールは守備的MFポウルセンを下げて、その位置にブリントを入れる選択をします。


交替で入り左サイドバックを務めたのが17歳のリーデヴァルト。ここで彼は決定的な仕事をしてみせます。


まずは後半43分、ペナルティーエリアでフーセンがボールキープ、反転して送ったグラウンダーのクロスに飛び込んだのはサイドバックのリーデヴァルトでした。これでアヤックスは同点に持ち込みます。

驚きはその数分後。後半ロスタイム、シェーネのコーナキックをフェルトマンがヘッドで前に送り、ここに詰めていたのがまたしてもリーデヴァルト。劇的な逆転劇を演出してみせました。


結局、丁重な試合を見せていたアヤックスですが、この17歳の新たな才能に助けられる形となり、見事Winterkampionenの座を射止めました。本当に強いチームは調子が悪くても勝つ。今のアヤックスには不思議な勝負強さが備わり始めています。


ちなみに、リーデヴァルトはフランク・デ・ブールの元でトップチームデビューを果たした15人目のプレーヤー。17歳と104日でのゴールはなんとエールディヴィジ最年少ゴール記録です。もちろん、まだまだトップチームで定位置を確保するには道のりは遠いかもしれませんが、MFもできる選手ということなので、これからじっくり成長していってほしいですね。





2013年12月8日日曜日

WSDの記事について。その他諸々


アヤックスはつい先程、NACブレダに4-0で勝利。2試合連続の4-0での勝利になります。

輝いたのはハットトリックを決めたクラーセン。前半の1点目はシェーネのパスを冷静にゴール右隅に流し込み、2点目はフィッシャーからの柔らかいクロスを見事なダイレクトボレー。後半、モイサンデルからのロングボールを受け、ワントラップでGKを抜き去りゴール。どの得点もシンプルながら確かなテクニックがなければ不可能な、まさに彼のプレースタイルをそのまま表したような素晴らしいものでした。(ゲームでいうとウイイレもFIFAも彼のこと過小評価しすぎですよね。パッとしない能力値でしかもあんまり成長しない。せめてもうちょっと将来的に成長する設定にしてほしい。)






ハイライトはこちら。




さて、今日はワールド・サッカー・ダイジェストの記事についてです。


この雑誌、アヤックスの若手のこともたまに取り上げてくれるのでそこには感謝なのですが、オランダの記事はユトレヒトファンのハンス・フォスさんという方が書いていて、どうもアヤックスに対して厳しいんですよね。



今月号の記事では、要約すると「若手を育てて結果を出すというアヤックスの理念は素晴らしい。しかし、それだけでは勝てない。もっと現実的になるべきなのではないか。このままだと連覇やCLグループステージ突破は厳しい」、というものでした。それ以上でもそれ以下でもない。セルティックやバルセロナへの勝利は華麗にスルー。


まぁ、たぶんこれが一般的な、特段アヤックスファンではないオランダ人の見方なのかもしれませんが、それにしても、「それができたら苦労しねえよ!」と叫びたくなるような意見ですよね。


ようするに、それが中堅選手であれ他チームの優秀な若手であれ、計算できる選手を買う金がないんです。オランダでは中位から下位のチームの若手が活躍すると、まずはオランダ国内のビッグクラブ、つまりアヤックス、PSV、フェイエノールト、トゥエンテあたりへの移籍が噂されますが、移籍金の折り合いがつかなかったり、給料の折り合いがつかなかったりで、最近はアヤックスに来てくれる若手の実力者が少ないのが現状です。ナルシンもマヘルもPSVを選び、海外リーグへの挑戦は時期尚早と思われるようなアサイディやファン・ヒンケルも結局プレミアリーグを選択。もちろん、オランダの他のチームに比べればアヤックスだって金満ですが、PSVには敵わないし、国外のビッククラブの予算とは大きな隔たりがあるわけです。


ボスマン判決以降、アヤックスはじめオランダのクラブが皆こういった状況に置かれていることは、オランダ人ならよくわかっているはず。それを「もっと現実的に」と言われても、「あなたがもっと現実的になったほうがいいんじゃ…」という感想です。



アヤックスにとっては、スレイマニが苦い思い出になっているのではないでしょうか。2007年にヘーレンフェーンで目覚ましい活躍を見せたスレイマニを翌年アヤックスはオランダ国内での移籍では最高額となる1625万ユーロ(当時のレートで約27億2500万円)で獲得、当然高額のサラリーが支払われることになりましたが、最終的にはレギュラー落ちしてしまい、いい結果を残すことができませんでした。


もちろんスレイマニはそれなりの活躍はしました。彼のスピードとテクニックは間違いなくアヤックスの武器でしたし、久しぶりのリーグ制覇の原動力にもなっていたと思います。しかし、それが投資した額に見合う活躍だったかというと首を傾げざるを得ない結果で、ファンからは批判の対象になってしまいました(彼自身にとっては少し酷ですけどね…)。



好むと好まざるとにかかわらず、限られた予算の中で若手を育ててやっていくしかない。その中で、時としてフリーで獲得できるポウルセンのような選手や、ボージャンのようなローンの選手を入れつつ、やりくりしていくしかないんですよね。


※ちなみに立ち読みでざーっと読んだ印象だけでこれ書いてますので、もしかしたらハンスさんの意見と照らしあわせて的はずれな文章になっているかもしれませんが、あしからず。


ミッドウィークにはいよいよ敵地でのCL最終節ACミラン戦。アウェーでの戦いですし、当然チーム力には差があります。また、キャプテンのシーム・デ・ヨングは欠場の見込みになっています。ただ、ブリント、セレロ、クラーセンの中盤もばっちり機能し始めて、現在チームの調子は完全に上向き。この勢いでサプライズを起こしてほしいものです。






2013年11月29日金曜日

希望の兆し

アヤックスはチャンピンズリーグでセルティックとバルセロナに2連勝、最終節のアウェーでのミラン戦に勝利すればグループステージ突破の希望が残された状態です。


国内でもチャンピンズリーグでもなかなか調子が上がらず、苦しい時間を過ごしていたアヤックスですが、最近になってようやく希望が見えてきました。


復調の要因は選手の成長。


まず言及すべきはダレイ・ブリント。アヤックスのレジェンドの息子は左サイドバックのポジションで昨シーズンのチームMVPを獲得しましたが、今年はさらにアンカーのポジションで才能を開花しました。スピードこそないものの、決してボールを失わない確かなテクニックと、正確なキックを活かした展開力を併せ持ち、エレガントなプレーを見せています。日本戦でのプレーはいまいちでしたが、代表でもこのポジションで使われ始めており、これからさらに伸びる予感を醸し出しています。


次に、まさかの代表選出も経験した若きCB、ヨエル・フェルトマン。バルセロナ戦では不運にもレッドカードをもらってしまいましたが、ここ数試合の彼のパフォーマンスは圧巻の一言。足元の技術の高さは折り紙つきで、正確なパスだけでなくフェルトンゲンを彷彿とさせるようなダイナミックなドリブルもできる。もちろん一対一にも強く、まさにオランダらしいマルチな才能をもったCB。一時期はファン・デル・ホールンの加入によりチーム内での地位が危ぶまれましたが、モイサンデルの怪我などで掴んだチャンスを見事にものにしました。


そして、魔法のようなテクニックと豊富な運動量でピッチを駆けまわる、小柄なMFトゥラニ・セレロ。ゴール前での怖さはまだまだ足りていませんが、トリッキーなプレーで好機を演出するだけでなく、バルセロナ戦では右からのクロスにうまく飛び込み貴重な先制ゴールをあげています。


最後に、将来の10番として期待されるダフィー・クラーセン。若干20歳ながら、プレースタイルは「インテリジェント」という形容がぴったりな、フットボールIQの高い選手。オランダ国内では以前より久しぶりにアヤックスユースが生み出したオランダ人「10番」として注目されており、日本でもWSDなどでよく話題になっていた選手ですが、ここ数試合はスタメン出場が続いており、いよいよブレークの兆しを見せています。柔らかなテクニックを持ちながらシンプルにボールを捌いてリズムを作り、時にゴール前に現れて決定的な仕事ができる。非常に可能性を感じさせるタレントです。
(余談ですが、オランダ語だと名前の発音は「デイフィー」が近いですかね)



世界最高レベルとは言えなくても、そして常にベストなメンバーが揃うとは限らなくても、彼らのような若き才能が常に台頭し続ける。経験不足によって時として大きな代償を払わされることもあるけれど、彼らの活躍はまさにクラブが正しい方向に向かっていることの証明なのだと思います。


毎年厳しい組み合わせが続いているけれど、今年こそはグループステージ突破を決めて欲しいですね。






2013年10月19日土曜日

Ajax 2013-14 -苦難のシーズンの予感-

エールディビジはすでに2013-14シーズンの1/4を終え、9節終わってトゥエンテとPSVが勝ち点18で首位、1ポイント差でアヤックスが追う展開。しかしフェイエノールトや快進撃を見せたズウォレ、同じく好調フィテッセも僅差で後につけており、相変わらずの混戦模様となっています。


アヤックスは順位上では3位ですが、苦しい戦いを強いられています。


アヤックスとPSVに生まれた差

攻撃の中心だった天才MFクリスチャン・エリクセンがトッテナムに移籍、守備の大黒柱トビー・アルデルヴァイレルトはアトレティコ・マドリーに移籍。バルセロナからボージャンをレンタルで獲得し、テクニックのあるMFレリン・デュアルテ、昨シーズンユトレヒトでブレイクしたDFマイク・ファン・デル・ホールンという若手を獲得はしたものの、攻守の要を失ったアヤックスは、客観的に見れば間違いなく戦力ダウンしています。獲得が噂されていたフィテッセのファン・ヒンケルはチェルシーへ、AZのマヘルはPSVへそれぞれ移籍先を選び、ファンからしてみれば期待はずれの移籍期間になってしまいました。

対してPSVはマンチェスター・ユナイテッドから朴智星が復帰し、代表経験のあるスタイン・スハールスをスポルティング・リスボンから獲得。加えてジェフリー・ブルマ、カリム・レキク、アダム・マヘルといった有力若手タレントを次々と獲得し、経験ある選手と可能性を感じさせる若手が混ざり合った魅力的なチームに仕上がっています。

アヤックスは第7節でPSVにいいところなく4-0で大敗。実力差を見せつけられてしまいました。



苦難のシーズン

また、チャンピオンズリーグではバルセロナ、ACミラン、セルティックと同組という厳しい抽選結果。バルセロナには4-0で敗戦、ACミランには後半終了間際にデンスヴィルのヘディングで先制したものの、ファン・デル・ホールンがマークについていたバロテッリがペナルティーエリア内でダイブ、PKを沈められ引き分けに終わります。セルティックとの試合は来週に控えていますが、3位でヨーロッパリーグ出場が現実的な目標でしょうか。

余談ですが、グループの組み合わせも、判定も、毎年アヤックスに厳しすぎやしませんかね…2年前はレアル戦でゴール2つが判定により覆され、八百長疑惑のリヨンがディナモ・ザグレブにまさかの大勝を収めるという悪夢のような展開がありましたし、昨年はレアル、ドルトムント、シティーと同組という無茶苦茶な組み合わせ…そして今年もこの組み合わせに、この判定。やるせないですね。


そんな中、今年は昨年加入したルーカス・アンデルセンや、負傷から復帰したダフィー・クラーセンが出場機会を増やし結果を残しています。また、負傷したボージャンの代役としてアカデミー出身のレスリー・デ・サが期待以上の活躍を見せるなど、明るいニュースもあります。近年なかなか勝てなかったユトレヒトにもホームで勝ちましたし。


しかし、古豪復活への道のりは遠いと感じざるをえません。リーグ三連覇を成し遂げながら選手の流出は止まらない。キャプテンのシーム・デ・ヨングは残留しましたがメンバーが小粒な感じは否めず、国内で勝てたとしても、エールディヴィジ自体が弱体化した中、なかなかそれが欧州での成果にはつながりません。加えて、CLでグループステージを突破する千載一遇のチャンスは2年前にあったにも関わらず、疑惑の判定で涙を飲むことになってしまったわけです。欧州で結果を残し続けるチームにならなければ、選手の流出も止まらないでしょう。


若手への期待

古豪復活への鍵を握るのはユースアカデミーの再編ですが、もちろんこれは一朝一夕で成し遂げられるものではなく、今のA1はバルセロナやミランのユースにも力負けしてしまうのが現状です(トップチームがCLを戦っている裏でUEFA Youth Leagueというものが行われており、両チームと対戦しましたが、両方に敗戦しました。)


そんな中ですが、まったく注目する価値がないというわけではありません。注目すべき選手も何人かいるようです。

ユースの注目の選手としては、プレミアへの移籍が噂されていながらPSVから獲得したリシェドリー・バズールでしょうか。若干17歳ですが戦術眼とテクニックを兼ね備えており、Jongの試合でもアンカーのポジションで活躍しているので、今後期待できるかもしれません。PSVからの移籍というのが少し悲しいところではありますが…。デ・サの活躍とかもあるので、今年も昨年のフィッシャーみたいに大ブレイクする選手が出てきてほしいと思います。



こちらがバズールのプレー。視野が広く、パスがうまい選手ですね。


また、FWのシェラルド・ベッカーも19歳以下のオランイェに選ばれている期待の若手。インターナショナルウィーク中はトップチームの練習に参加したりもしたようなので、今後A1、Jong、トップチームと活躍の場を広げていってほしいと思います。

昨年大活躍のフィッシャーはスランプに陥っているようで、強引な突破でボールロストする場面や、力み過ぎた無茶なシュートでチャンスを不意にしてしまう場面が多くなっている気もしますが、まだ19歳。ゆっくり自分のスタイルを作り上げていけばいいと思います。



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いずれにせよ、今年は若手のブレイクを待ちながらの厳しい戦いが続くことと思いますが、最低でもCL出場権獲得、そしてCLではミランになんとか競り勝ってグループステージ突破(まぁ無理ならELでよしとしましょう…)を成し遂げてほしいものです。

Sheraldo Becker en Nick de Bondt

エールディヴィジは今夜再開。アヤックスはトゥエンテとの重要な試合を迎え、火曜日にはCLグループステージ第3節、セルティックとの負けられない戦いが待っています。


2013年5月19日日曜日

Eredivisie Kampionen #32


2012-13シーズンのエールディヴィジはアヤックスの優勝で幕を閉じました。


アヤックスはこれで32回目のリーグ制覇。フランク・デ・ブール監督は就任後3連覇の偉業を成し遂げました。これまでにオランダリーグ3連覇を達成したアヤックス監督は、フランク・デ・ブール以前には2人のみ。これでデ・ブールはリヌス・ミケルスとルイス・ファン・ハールという偉大な監督と同じリストに名を連ねることになりました。

最終的には、盤石と言える戦い方でシーズンを締めくくったアヤックス。圧倒的な攻撃力を爆発させた一方で勝負弱さを露呈した2位のPSVと比べると、安定した守備できっちりと勝利を重ねてきたという印象です。


今シーズン文句なしにアヤックスのMVPとなったのはダレイ・ブリント。アヤックスの年間最優秀選手(Ajacied van het Jaar)に選ばれ、各紙が選ぶエールディヴィジのベストイレブンにも軒並み名を連ねる若き左サイドバックの急成長なくして、今年の優勝はありえなかったと思います。シーズン当初は契約延長せずフリーで出て行くのでは、と噂もされるような状態でしたが、シーズン途中にはオランダ代表にも選ばれ、怪我がちなボイレセンを差し置いて完全に左サイドバックのファーストチョイスになった印象です。







そして、今シーズンはポウルセン、シェーネ、アンデルセンと3人のデンマーク人を獲得。エリクセンとボイレセンと合わせて、デンマーク人が欠かせない存在となっていました。シェーネは個人的にはブリントと並ぶくらいのMVP級の活躍を見せた選手だと思います。重要な局面でのゴールだけでなく、細やかな技術で多くのチャンスを演出していました。そして新星フィッシャーの大活躍はご存知の通り。アヤックスの中では若手の最優秀選手(Talent van het Jaar)に選ばれました。今後、間違いなく欧州トッププレーヤーの一人として成長していくことでしょう。


ポウルセン、フィッシャー、シェーネの3人が英語で今シーズンを振り返っている動画がこちら。







個人的には、ポウルセンの以下の言葉が印象的でした。


「僕は1対1に強いフィジカルなプレーヤーではなくて、コンビネーションを創り出すのがうまい選手でもある。ほとんどの試合でボールポゼッションが60%を超えるようなチームでプレーできるのは本当に楽しいよ。去年はフランスの小さなクラブで、状況が違ったからね。」


当初はテクニックに欠けた荒々しい選手なのかと思っていましたが、蓋を上げてみればカードを一枚も貰わないでシーズンを終えたポウルセン。後半につれて徐々にチームにフィットして、冷静なディフェンスで相手の攻撃の芽を摘んだだけでなく、チームのボールポゼッションに大きく貢献することとなりました。来シーズンもアヤックスでチームを引っ張って欲しいです。



さて、今シーズンでエリクセンとシーム・デ・ヨングは移籍が濃厚。他にもアルデルヴァイレルトも移籍が噂される選手のひとりとなっています。

エリクセンはドルトムントやリバプールへの移籍が噂され、特に司令塔ゲッツェがバイエルン・ミュンヘンに移籍となるドルトムントについてはエリクセン自身「プレーしたいチーム」と発言もしており、またデ・ブールとクロップ監督も最近仲がいいようで、移籍の可能性が高まっているところです。

シームは以前からニューカッスルへの移籍が噂されていましたが、本人は弟のルーク・デ・ヨングがプレーするドイツでプレーしたい気持ちがある模様。最近ではシャルケのフンテラールがシームはシャルケに合っていると発言したという報道もあります。

トビーもニューカッスルやトッテナム、アーセナルなど様々なチームへの移籍がありますが、最近ではASローマがトビーへの問い合わせを行ったという報道もあります。



エリクセンとシームが抜けると、MFの選手層がどうしても薄くなってしまうため、AZからアダム・マヘル、フィテッセからファン・ヒンケルの獲得が噂されています。ただ、AZのフェルベーク監督は、「マヘルはヨーロッパのビッグクラブでプレーする用意ができている。国内に留まる必要はない」とも言っており、またAZが高額な移籍金をマヘルに設定することが考えられるので、彼がアヤックスに来るかどうかは微妙なところです。間違いなくオランダでNo.1の若手タレントなので、彼が来たらアヤックスのサッカーがさらにおもしろくなることは間違いないのですが…。



ただ、最近では若手のタレントを相次いで獲得しており、ナイジェリアの17歳Moses Daddy-Ajala Simon、アイスランドの16歳ストライカーOttar Magnus Karlssonの加入がほぼ内定、16歳のDF、Nathan Layderをクラブ・ブルッヘから獲得、そしてオランダU-18代表にも選ばれている右ウイング、Anwar El-Ghaziとの契約にも至っています。すでにチームに加入しているイラン・ボッカラやルーカス・アンデルセンなどの若手とともにアヤックスの未来を作っていって欲しいですね。




来シーズンこそはチャンピオンズリーグでの結果を残したいアヤックス。どうなるか楽しみです。