2012年2月25日土曜日

初投稿: ヨーロッパリーグ・マンチェスターU対アヤックスを観て思ったこと

初の投稿です。

ブログの説明に書いてあるとおり、このブログはいわばサブブログで、忘備録として、もしくは英語を書くのがめんどくさいときにダラダラとサッカーについて思ったことを書くために使っていきたいと思います。

先ほど、ヨーロッパリーグのマンチェスター・ユナイテッドvsアヤックスについて本ブログの記事を書きました。(Europa League - Manchester United vs Ajax: Ajax, We Are Proud of You!)


結果は1-2でアヤックスの勝利。エルナンデスの開始直後のゴールのあと、オズビリズのゴールとアルデルウェイレルトのヘディングでアヤックスが逆転。デ・ブール監督はオールドトラフォードで勝利した初のオランダ人監督となりました。左ウイングでプレーしたセルビア代表のスレイマニもユナイテッドのホームで勝ったことは「名誉」と言っています。

AJAX.nl


もちろん、多くのサッカーファンは単純にユナイテッドの調子が悪かっただけだと言うと思います(というか実際にいろんなところで言われてますね)。ルーニーもいなかったし。でも、今シーズンできる限りアヤックスの試合を見続けている身からすると、国内のリーグ戦やチャンピオンズリーグのグループステージにおけるパフォーマンスと比べても、ベストと言えるサッカーをアヤックスが見せたことも事実。アヤックスのプレーヤーと戦術の魅力が色濃く出た試合だったと思います。


~コラム: アヤックスの戦術~アヤックスのフォーメーションは4-3-3。中盤はアンカーを一枚置き、オフェンシブミッドフィルダー2人を配置します。ウイングは初期配置としては大きくサイドに張り出していますが、今シーズンは右サイドに左利き、左サイドに右利きのウイングを使うことが多いのでカットインで攻撃のリズムを作ります。センターフォワードの役割は使われる選手によって変わってきますが、ユナイテッド戦でウルグアイのテクニシャン、ロデイロが使われたように、もともとミッドフィルダーで足元の技術の高い選手を割り当て、前線でのポゼッションを可能にするゼロトップのような戦術を用いることもしばしば。中盤から前線にかけての攻撃の中心となるのはデンマーク代表の若手天才プレーメーカーのエリクセン。彼のパスから多くのゴールが生まれています。後方では、キーパーはほとんどロングボールを蹴らず、センターバックの二人かサイドバックもしくはアンカーの選手にショートパス・スローを行うことがほとんどです。センターバックのフェルトンゲンとアルデルウェイレルトはふたりとも視野が広く正確な縦パスを供給することができます。中でもフェルトンゲンはアヤックスのボール・ポゼッションの中心と言える存在。彼が後方からビルドアップすることによってピッチを広く使ったポゼッションが可能になります。先日のエールディヴィジのNEC戦では、これに加えてアンカーに入ったアニタがディフェンスラインまで積極的に下がってボールを受け、センターバックをワイドに開かせ、サイドバックを押し上げる戦術をとっていました(これはバルセロナが3バックを用いるときと似ていますね)。また、サイドバックはもともと右サイドにオランダ代表ファン・デル・ヴィール、左サイドにデンマーク代表ボイレセンという攻撃参加に特徴のあるプレーヤーが揃っているのですが、ふたりとも怪我で離脱中。ふたりがいるときは中盤のプレーヤーが中央寄りでキープして、サイドバックの上がりを効果的に利用する形が特徴的になります。ただし堅実なプレーが特徴のファン・ラインとコッペルスが両サイドに入った今回のゲームでは、そういったオーバーラップの動きはあまり見られず。



ということで、コラムでかなり大雑把にアヤックスの戦術をまとめてみたのですが(詳細は本ブログの記事を参照してください)、ユナイテッド戦はうまくポゼッションができていたと思います。もちろんポゼッションが高いチームがすなわち勝てるというわけではありませんが、アヤックスはポゼッションありきのチーム。レアル・マドリー相手にもポゼッションでは負けないようなチームです。今回の試合もポゼッションは58%と大きくユナイテッドを上回り、リズミカルな攻撃を行なっていました。右ウイングのオズビリズは1得点1アシストの活躍をしただけでなく、独特のステップのドリブルでユナイテッドのファビオを圧倒していました。また、逆サイドの方では足元の技術のあるロデイロとスレイマニはふたりのコンビネーションで相手を崩すことができるので、両サイドから良い攻撃ができていたと思います。中盤のエリクセンとデ・ヨングも調子がよかったようです。スコールズが途中から入ってきてからはさすがの落ち着きで中盤を制圧され始めた感はありますが、ポゼッションでも崩しのアイディアでも今回ばかりはアヤックスが一枚上手だったのでは。



試合の内容についてはそんなところなのですが、アヤックスファンとしてはとても感動したゲームでしたねー。そもそも90分間通して集中力を切らさずやれたゲームなんて今シーズンほとんどない。笑 スレイマニは「失うものは何もなかった」と言っていましたが、まさにそのとおり。最高の舞台で最高のパフォーマンスを披露してくれたと思います。明らかに選手の質で劣っているアヤックスの若い選手たちが勇敢にユナイテッドに挑んでいく様は、感動的でした。


本ブログで書いたように、この試合に出場した選手はスレイマニとロデイロ以外すべての選手がユース出身、しかもファンライン、コッペルス、オズビリズ、セレロ、クラーセンらはここ1年間くらいの間にデビューした選手です。そういった選手たちがこのビッグゲームを経験したのは、本当に大きい。ボスマン判決以降金満からは程遠いオランダのチームは明らかに弱体化してしまいましたが、アヤックスには世界最高レベルのユースアカデミーがある。今シーズンはなかなか勝てないゲームが続き、暗い気分にもなりましたが、こういった若手がユナイテッド相手に威風堂々と戦う様を見ると、まだ希望を捨てきらなくてもいいのかな、という気分になります。


特に僕が注目しているのは、途中出場したダフィー・クラーセン。19歳のオランダ代表で、昨年末の試合でトップチームでのデビューを果たした選手です。ミッドフィールダーとフォワード両方でプレーでき、確かな足元の技術を持った選手。シュートセンスもなかなかのもの。この試合ではあまり目立った活躍をすることはできませんでしたが、彼に対する地元アムステルダムの期待は膨らんでいて、かつてアヤックスが産み出したクライファート、ファン・デル・ファールト、スナイデルといったオランダ人選手たちのような成長を期待するような声も大きい。日本のサッカー雑誌も、彼をプッシュしてるところがありますね(WORLD SOCCER DIGESTとか)。


いずれにせよ、歴史あるサッカークラブとしての誇りと、未来に対する希望の両方を見せてくれた試合でした。エールディヴィジを追いかけるツイッターユーザーも、こんなこと言ってます。




"Admirable philosophy"とか"done themselves proud"っていう言葉に、ちょっとファンとしてはウルッと来ちゃいますね。世間一般的には「ユナイテッド不覚」っていう感じでしょうけど、僕はこの試合を忘れません。いいゲーム見させてもらいました。


次は日本時間の26日(日)20:30から、エールディヴィジのエクセルシオール戦です。リーグ上位クラブが軒並みヨーロッパリーグで勝ち進んだので、リーグだけに集中できるアヤックスの復調に期待。










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